-COLUMN-

カッとなったとき、言葉でどう伝えたらいい? 気持ちをうまく伝える方法

日付:2025年01月10日

■自分の気持ちを振り返る

 

「カッとなって、言葉より手が出てしまった…」

こういった経験をしたことがある人は、意外と多いものです。

 

日本アンガーマネジメント協会では、体罰を加えた先生を対象に、アンケートをとったことがあります。

このとき「あなたはなぜ体罰をしたのでしょうか?」という質問に対して、「つい、カッとなって」「言葉が出てこなかったから…」という回答が多くあげられました。

 

「言葉が出てこなかったから、つい、とっさに暴力的な行為をとってしまった…」

それは、「つい…」ではすまなくなるかもしれません。

 

自分の思っていることが、もどかしくて言えないのであれば、暴力ではなく、自分の言葉で伝えられるように鍛えていくことが必要です。

「自分がどういう気持ちで、本当はどうしたかったのか」

「何をわかってほしかったのか」

といった自分の気持ちを振り返ってみましょう。

 

■アンガーログを活用しよう

 

言葉で気持ちを伝えられるようにするには、怒りを感じた出来事をメモする「アンガーログ」がおすすめです。

アンガーマネジメントのトレーニングのひとつである「アンガーログ」は、以前こちらのコラムでも紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

 

「○月○日~にイラッとした」というように、怒りを感じたことと一緒に「何を伝えたかったのか」「自分がどう思っていたのか」も書いていくようにしましょう。

 

とっさに言葉が出てこない状況がしばらく続いたとしても、アンガーログをつけることで、言語能力を鍛えていくことができます。

言葉を収集することや本を読むことなど、ほかの人がどう表現しているかも、同時に意識するとより効果的です。

 

■語彙力を鍛える

 

現代の若い世代は、言葉ではなくLINEのスタンプを使って表現することで、すませることもあります。

その影響もあり、言語能力がかなり低くなっている人も少なくありません。

 

何かがあっても「むかつく」「やばい」「ありえない」という言葉ですませてしまうことや、「いま自分がどう思っていて、どう感じているのか」を伝える言語のバリエーションが少なく、語彙力が乏しい人が増えてきました。

若い人だけでなく、大人も、語彙力を鍛える必要があると感じています。

 

たとえば、『その感情、言葉にできますか?』(豊かな日本語生活推進委員会編・青春出版社)という書籍には、たくさんの感情を言葉にするフレーズが載っています。

言葉のバリエーションを増やすのもおすすめです。

 

自分の気持ちをきちんと言葉で伝えられるよう、語彙力を鍛えていきましょう。

 

 

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