-COLUMN-

イライラしたとき、パワハラ問題を未然に防ぐ秘訣とは?

日付:2024年10月10日

■衝動的な行為はパワハラになりかねない

 

あなたのまわりに、イラッとして物を投げたり、ドアを勢いよく閉めたりする人はいませんか?

もし、本人がダメだとわかっていたとしても、こういった行動を繰り返している人は、「怖い」と思われてしまっている可能性もあります。

さらには、「暴力的な人」というレッテルを貼られて、その人への見方が変わってしまうかもしれません。

 

本人はちょっとしたイライラのつもりでも、物を投げるともっと大きな怒りの印象を与えてしまいがちです。

こういった行いは、パワハラとも受け取られかねません。

それは、本人にとってもマイナスになってしまいます。

ですから、イラッとしても、衝動的に物に当たらないようにしましょう。

 

それには、深呼吸をして気持ちをしずめる訓練をすることもおすすめです。

また、怒りは6秒たてば理性が働き、落ち着いてくるという特性があります。

この理性が働くまでの6秒をどう過ごすかが大切です。

 

■怒りを点数化してみよう

 

試してみてほしいのは、6秒たつ前に、怒りを感じたことを点数化することです。

たとえば、とんでもないメールを見たときに、すぐに

「なんだこのメールは! 5点!」

と点数をつけてみてください。

ひとりの場合は、声に出してしまうのもよいでしょう。

点数をつけることに意識が向かい、怒りに任せた働動的な行動をしづらくなります。

みんなで点数を言ってみるという、取り組みを実践している職場もあるほどです。

 

アンガーマネジメントでは、怒りの数値を次のようにあらわしています。

10点は人生最大の怒り、0点は穏やかな状態です。

 

10点   絶対に許せないと思うくらいの激しい怒り

7〜9点 頭に血がのぼるような強い怒り

4〜6点 時間がたっても心がざわつくような怒り

1〜3点 イラッとするが、すぐに忘れてしまう程度

0点   まったく怒りを感じていない状態

 

怒りを感じたとき、ぜひ参考にしてみてください。

 

職場でパソコンのマウスを投げる人、カッとなったときに壁をパンチして穴を開け、手を痛めて伝説になる人…など、キレる人のエピソードは少なくありません。

「キレる人」というレッテルを貼られないようにしたいですね。

 

■攻撃的になる原因は言語能力も関係する

 

アンガーマネジメントでは、攻撃的な行動に出る人は、言語能力の低さも関係していると言われています。

 

たとえば、小さい子どもの場合、自分の思い通りにならないと駄々をこねたり、おもちゃをとられて噛みついたりすることもあるでしょう。

これは、言語能力がなく、自分の思っていることをうまく言葉にできないことから起こります。

 

大人も同じです。

すぐに語彙力を上げるのが難しいのであれば、まずは怒りの点数化からはじめませんか?

 

思わぬところで、パワハラ問題につながらないようにしたいものですね。

 

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