日付:2024年08月10日
■「叱る」のではなく「リクエスト」をしよう
昨今では、
「叱るのはよくないことだ」
「部下から『パワハラだ』と言われるのが怖くてうまく叱ることができない」
という話をよく耳にします。
管理職の人自身が部下だった時代は、上司が
「バカヤロウ」
「ふざけるな」
と、かなり強い口調で感情的に怒鳴ることもよくありました。
そのような叱られ方しか知らないため、叱ることに対するイメージが、本来の「叱る」と異なっている人も多いのです。
その叱り方しか見ていないため、叱り方もわからないのでしょう。
最近は、ほめて育てる風潮もあるので、叱ること自体がよくないと認識している人も多くいます。
本来「叱る」とは、部下や後輩、子どもなどに対して「次からこうしてほしい」と、相手の行動や意識の改善をうながすための行為です。
ですから、決して悪いことではありません。
相手の成長のためにも、改善してもらう必要がある場合や、よくないこと、迷惑をかけることをしてしまったときには、「叱る」ことも大切です。
叱るときは、「ここを直してほしい」「次からこうしてほしい」という要望を伝えるように、「リクエストをする」ととらえ方を変えてみてください。
そうすることで、叱ることへの抵抗も少なくなるでしょう。
■叱るときは「してほしいこと」と「理由」を伝える
ときに、叱ることは大切ですが、怒りの感情がともないやすくなります。
そのため、ついイラッとしてやり込めたり、叩きのめしたり、自分の正論を押し通して、パワハラ問題にならないように配慮が必要です。
叱るときの伝え方
✕「同じミスを何度も繰り返すなんてバカじゃないか。本当に抜けているよな」
↓
◯「同じミスを繰り返さないように、ここは数字の間違いはないか、見直しをして仕上げてほしい。数字ひとつの間違いでも、このままお客様に提出したら、相手に不感を与えてしまうよ」
✕「なんで作業手順を守らないんだよ。この通りにやらないなんてバカだな」
↓
◯「チームで決めた通りの手順を守ってほしい。そうしないと事故が起こるからね」
このように、どう行動してほしいのか、なぜこれを改善してほしいのかという理由をセットにして相手に伝えましょう。
そうすることで、相手も素直に受け入れやすくなるのです。
リクエストに該当しない、
「バカじゃないか」
「使えないな」
「この仕事は向いていない」
「ダメな人間だ」
といった、相手の人格や能力を否定する言葉が入ってしまうと、パワハラにあたります。
この点に気をつけて、伝えるようにしてください。
■「アンガーマネジメント」は、怒りとうまく付き合える手法
以前から、お伝えしてきましたが、怒りは人間にとって自然な感情ですから、なくすことはできません。
でも、アンガーマネジメントを取り入れることで、怒りと上手に付き合うことができるようになります。
アンガーマネジメントは、トレーニング次第で誰にでも怒りをうまく扱うことができるようになるものです。
部下に対しても、怒りの感情を我慢するのではなく、「リクエストする」といったコツをつかみさえすれば、パワハラを恐れることなく、必要なことを伝えられるようになります。
ぜひ、アンガーマネジメントを取り入れて、怒りと上手に付き合っていきたいものですね。