日付:2022年09月1日
■組織の生産性を上げる「心理的安全性」に注目が集まっている
「心理的安全性」という言葉を、よく耳にするようになってきました。
「心理的安全性を実現するには、どうしたらいいのだろう?」
「『パワハラ』と言われないか怖くて、気になることがあっても、うまく伝えることができない」
「対話力を磨いて、お互いに気持ちのいいコミュニケーションをとりたい」
わたしのもとには、日々、こういった相談が寄せられます。
心理的安全性とは、組織のなかで自分の考えや気持ちを、誰に対しても安心して発言できる状態のことをいいます。
Google社が、2012年から2016年にかけて大規模労働改革プロジェクトを実施しました。
その研究の成果として、
「心理的安全性は、組織の生産性を上げるために欠かせないものである」
ということが結論づけられ、多くの企業から注目され始めたのです。
昨今では、価値観が多様化してきました。
一括採用・終身雇用・年功序列という働き方から、複数の組織でキャリアを重ねる形も一般化しはじめ、いまや、多くの人が日々さまざまな価値観に囲まれて働いています。
このような背景も重なり、心理的安全性が重要であることが急速に広まっていったのです。
■心理的安全性を実現するために、対等な関係性の環境をつくろう
では、心理的安全性を実現させるために必要なものは、何だと思いますか?
それは、「コミュニケーション力」です。
多くの人が、お互いによりよい関係を築いていくために、どういったしくみをつくったらよいのか、頭を悩ませています。
そこでひとつの大きな対応策として、相手も自分も大切にした自己表現である「アサーティブ・コミュニケーション」の考え方やスキルを取り入れようとする組織が増えてきました。
基本的に、アサーティブ・コミュニケーションでは、
・もし、お互いの考えや意見や価値観が違っても、相互尊重・相互信頼をもとに建設的な議論ができる
・お互いが正直に、率直に忖度せずに伝え合う
・違いがあったとしても、対等な姿勢で対話ができる
というマインドを持つことを大切にしています。
コミュニケーション能力は、トレーニングで身につけられるものなのです。
■アサーティブ・コミュニケーションで心理的安全性を実現する
「わたしがこんなことを言ったらおかしいのではないか」
「こんなわたしの考え方は間違っている」
「わたしの立場でこんなことを言ったらバカにされる…」
こういった思いを持ったことがある人もいるのではないでしょうか。
このような心持ちは、対等な対話を阻む要因になってしまいます。
また、
「アンガーマネジメントができるようになったあと、具体的にどのように相手とコミュニケーションを取ればいいのでしょう?」
「怒る必要があると判断したときに、実際にどう表現したらいいのかわかりません」
といった相談を受けることも多くあります。
こういった悩みは、アサーティブ・コミュニケーションにもとづいたマインドやスキルを身につけることで改善されるため、職場でも活発な意見が交わされるようになるでしょう。
アサーティブ・コミュニケーションは、組織やチームが心理的安全性を実現するために、とても有効な方法なのです。
アサーティブなコミュニケーションを積極的に取り入れて、風通しのよい人間関係を目指していきましょう。