-COLUMN-

会話のなかで、沈黙の「間」が生まれたときに意識したいこと

日付:2024年01月1日

■沈黙が必要な人もいる

 

あなたは、沈黙が気になるタイプですか?

 

相手とのやりとりのなかで、何も話さない「間」が数秒あるだけで気になってしまう人がいます。あなたはいかがでしょうか?

 

沈黙の「間」が必要な人は、黙っている間に、考えを頭のなかでめぐらせて、嚙みしめながら理解しようとしています。

頭の回転が速い人ばかりではありませんし、混乱しがちな人は、なかなか会話が続かないものです。

 

一方、それほど「間」が必要ない人の場合、相手の「間」を待っている間に、相手の表情をジッと見すぎて、相手に威圧感を感じさせてしまうことがあります。

とくに自分の年齢や立場が上にあたるときには、相手が萎縮してしまいやすいので、あまり凝視しないよう配慮しましょう。

 

沈黙の時間は、相手が落ち着いて、深く思案している時間です。

相手が心地よさそうにしているのであれば、大切な時間をさえぎらないように、目安として5秒ほどは待つようにしてください。

もし、何も言うことがなくて困っている様子であれば、声をかけるようにします。

これは、数を重ねることで判断できることです。


 

■相手のタイプを見極める

 

部下を持って間もない人、打ち合わせにそこまで慣れていない人、人前であがってしまう人は、沈黙を怖いものだと感じていることがあります。

 

このタイプの人は、沈黙の時間があると、

「何?」

「どうした?」

と急かす言葉を入れたり、意見やアドバイスを差し込んでしまうことがあるので注意したいところです。

相手をしっかり観察して、不要な言葉がけをしないようにしましょう。


 

■相手のペースに合わせて話を聴こう

 

相手の話すペースに合わせることも、重要なポイントです。

たとえば、コンサルティングをするときや相談を受けるときには、なるべく相手のペースに合わせるようにしましょう。

 

ゆっくり話す人には、相手の呼吸に合わせて声をかけてあげてください。

反対に、とてもせっかちで、話すテンポが速い人もいます。

このタイプの人と話すときには、会話のペースをやや遅くするよう意識し、相手より少しだけ遅く話すのが理想的です。

会話の速さの調節をしないと、どんどん速くなってしまうので、落ち着いて話せるように、ペースを半テンポ遅らせてみてください。

 

たとえば、複数名で話す会議の席の場合、進行役の人が速いペースで話すと、まわりの人がついてこられないことが多々あります。

ファシリテーター役は早口な人に対して、

「〇〇さんは、△△というご意見ですね」

「これはぜひみなさんと共有したいので、繰り返し言います」

と、少しゆったりとした口調で言いながら、全体の会話のペースをつくっていくのがおすすめです。

それ以外のときには、なるべく相手に合わせたペースで対話するようにしましょう。

ペースを合わせることによって、話し手はとても話しやすくなります。

 

早口な人に対しては、あえてこちらの話すペースを遅らせることで、会話が上滑りすることを防ぐことができます。

ただ、あまりモタモタするとイライラされてしまう可能性もあるので、ペースの

調整の仕方には注意が必要です。

 

どのような場面なのか、相手はどういったタイプなのか、そのときに応じた聴き方ができると信頼関係も深まります。

相手に合わせた傾聴の仕方を身につけたいものですね。


 

 
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