-COLUMN-

クレームに対応するときに、意識したいポイントとは?

日付:2023年08月1日

■クレームを伝えるときに注意すべき3つのポイント

 

相手に対して何かクレームを伝えるとき、どのように言ったらいいか悩んでしまうことはありませんか?

 

クレームを言うということは、解決を求めているということです。

こちら側が相手にクレームを伝える際には、「現状・気持ち・要望」という3点を意識するといいでしょう。

 

①まず、現状で何が起きているのかを伝える

・◯◯を不快に思った

・◯◯のようなことがあったから、わたしは不満を抱えている

・お願いした商品に欠陥がある

・納期が遅れている

・従業員に◯◯な対応をされてしまった

…このような不満足な要因や不快な出来事について、事実のみ伝えていきます。

 

②困ったことが起きたときの気持ち、感じたことを伝える

・そのときにとても困った

・商品が届かなくてとても心配した、不安だった

 

③どうしてほしいのか、要望を話す

・今後はこのように対応してほしい

・これからは、納期に遅れないようにしてほしい。もし遅れてしまう場合はこのようにしてほしい

 

以上のような3つの流れで伝えるのが有効です。

感情的になると、何を言っているのかわからなくなってしまうので、伝えたいことを整理して、「相手に伝わるように話す」ことを意識しましょう。


 

■感情的に発言しない

 

感情的になった結果、思いがけず言いすぎてしまったことはありませんか?

怒りに任せてクレームを言った結果、カスタマーハラスメントにあたる、過剰な要求になってしまうケースもあります。

 

カスタマーハラスメントとは、近年問題になってきている行為で、消費者や客の立場を利用して、企業に対して理不尽な要求をすることを言います。

たとえば、次のような言動をする人は、注意が必要です。

 

・とにかく「土下座をしろ、慰謝料を払え」というような過剰な要求をする人

・相手を理詰めで追い詰めてしまう人

・人格を否定することを言ってしまう人

 

これらのタイプの人は、場を荒らしてしまうので、話し合いが成立せず、解決の方向には向かいません。

最悪の場合は、ブラックリストに入ってしまうこともあります。

 

もし不満に感じることが噴出しても、

「ここではそれが当たり前に起きているの? なんでわたしにだけ起こったの?」

というような出口のない責め方をせず、正しく改善に向かうように、「現状・気持ち・要望」の3点を相手にわかりやすく伝えましょう。


 

■攻撃的な人からクレームを受けたとき

 

一方、クレームを受ける立場になってしまった場合には、とにかく相手の感情の波に振り回されないことが大切です。

相手が、感情的になったり、威圧的になったり、怒りを爆発させたりすると、こちらも冷静な判断ができなくなってしまいます。

 

感情をぶつけられたら、まずは、

「この人は、いまどんな状況にあるのか? 何を要望しているのか?」

ということを冷静に判断することが得策です。

 

そして、とても困っていたのか、不安だったのか、残念に思ってしまったのか、店員に大きな顔をされて不愉快だったのか…といった相手の感情面についても、目を向けていく必要があります。

 

この点を把握できなければ問題の解決ができないため、丁寧に確認しましょう。

対応する側が相手の感情に揺さぶられておどおどしてしまったり、反対にイラッとしてしまったりすると、どんどん相手の要求を把握することが難しくなっていきます。

 

怒鳴りつけられて、動悸がとまらなくなったときには、まず自身の気持ちを落ち着けるようにしましょう。

電話対応の場合なら、相手から顔を見られることがないので、一度ゆっくり深呼吸するのがおすすめです。

 

「わたしに対しての直接的な攻撃ではない」

と言い聞かせるのもいいですね。

お客様からのクレームの場合には、

「この人は組織に対して怒っている」

というように、橋渡し役、仲介役だと受けとめるようにすると、冷静に対処しやすくなります。

 

クレームを言う側のときも、言われる側のときも、感情に左右されずにポイントを押さえて対応したいものですね。


 

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