日付:2025年07月20日
◾️フィードバックは成長の機会になる
「気になったことを伝えるときに、感情的になってしまった」
「こうしてほしいと言われたけれど、ダメ出しをされた気がしてモヤモヤする」
このような「フィードバック」にまつわる話を、
耳にすることも少なくありません。
フィードバックをする側とされる側、
それぞれに知っておきたい心構えがあります。
このポイントを把握しておくと、自分も相手も成長することができ、
コミュニケーションも円滑になるのです。
前回のコラムで、5つの心構えのうち3つをお伝えしました。
今回は、残り2つのポイントをお伝えします。

◾️4 自分自身の考えを俯瞰してみよう
フィードバックをするときには、
物事を広い視野でとらえることがとても重要です。
『リフレクション』(熊平美香/ディスカヴァー・トゥエンティワン)に、
「良質なフィードバックには、観察力とメタ認知力が必要」と記されています。
メタ認知とは、自分が認知していることを俯瞰して認知することと
『リフレクション』では定義されています。
わたしたちは、ときに自分の好き嫌いや思い込み、
習慣的な感情に影響を受けることがあるものです。
たとえば、好意を持っている人にはよい面を見ようとし、
苦手な人には無意識にマイナスの面を見てしまうことがあります。
だからこそ、そういった偏見にとらわれないメタ認知が必要です。
重要なフィードバックを行う際には、
自分の考えを俯瞰して整理してみてください。
「思い込みではないだろうか?」
「他人の意見に影響されて偏った見方をしていないだろうか?」
「判断の基準はぶれていないだろうか?」
「一時的な感情で判断していないだろうか?」
こういった広い視点で物事を見ることで、
感情に偏らないバランスのとれたフィードバックができるようになります。

◾️5 フィードバックをもらったら素直に受けとめる
あなたは、自分に対するフィードバックをしっかり受けとめていますか?
フィードバックを素直に受けとめられる人は、
「耳の痛いことにも真摯に耳を傾けてくれるから、この人の言うことなら聞こう」
と周囲から信頼されるものです。
反対に、フィードバックを受けとめない姿勢をとっていると、
周囲の人もあなたのフィードバックを聞かなくなってしまいます。
頑固な態度をとり続けることで、
たとえあなたの意見が正しいとしても、
「この人のアドバイスは聞きたくない」と、
周囲に思われてしまうこともあるのです。
とくに、相手が自分より上の立場のときほど、
フィードバックはしづらいもの。
もし、立場が下の人から意見をもらえたときには、
「言いにくいことをよく伝えてくれた」
と感謝の言葉を伝えることで関係性がよりよくなります。
フィードバックを受けたときに避けたい例
✕感情的に反論する
「何を言っているんだ? おかしなことを言うな!」
✕自己防衛のための言い訳
「あの人がこうだったから、こういう状況になってしまった(わたしがいけないのではない)」
✕自分を過度に責める
「なんということをしてしまったのだろう。わたしは本当にダメだ…」
言い訳や必要以上に反省するのではなく、
これからの成長や改善のために建設的なとらえ方をしてみませんか?
「何が問題だったのか?」
「次にどのような行動をとればいいのだろう?」
といった視点で、前向きに考えるのがおすすめです。
ポジティブフィードバックをもらったときも、
素直に受け取りましょう。
過度に謙遜すると、「余計なことを言ってしまったかも…」
と相手に気を遣わせてしまい、
今後ポジティブなことも伝えてもらいづらくなることがあります。
もし、照れくさいと感じたら、
「あまり言われ慣れていないので、照れてしまいますね」
と素直に返したほうが、伝えた側も
「言ってよかった」と思えるでしょう。
あなたがフィードバックを受け入れやすい相手になることで、
まわりの人もどんどん話しやすくなります。
フィードバックを行う際には、
ぜひこれらの5つの心構えを意識してみてください。
そうすることにより、
自分自身の手応えや相手のリアクションが変わってくるはずです。
まわりの人とのよりよい人間関係を築いていくためにも、
フィードバックを活かしていきたいものですね。

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