日付:2025年01月1日
■本人が自分の態度に気づかなければ変わらない
人とのやりとりのなかで、不快なリアクションが返ってきて、嫌な想いをしたことはありませんか?
・機嫌が悪いのを態度に出される
・過度にため息をつかれる
・乱暴な返しをされる
こういった反応をされると、とても腹立たしい気持ちになってしまいますよね。
とくに、同じ立場の同僚にこんなリアクションをされたら、どう伝えるのがいいか、悩むところでもあります。
本人が無意識の場合は、自分がどんなリアクションをしているのか気づいていないこともあるでしょう。
本人が気づいているならまだしも、無意識にしているのであれば、おそらくその態度はずっと変わりません。
本人も、許してくれるまわりに甘えてしまっている状態です。
■「嫌だ」と意思表示をする
ある企業で、嫌なリアクションをすることに対して、目上の人が注意をしたことがありました。
その後、その上司に対しては気をつけるようになったものの、同じ立場の同僚に対して、その人は変わらずひどい態度をとり続けていたそうです。
このタイプの人に対しては、何も言わないでいると
「この人は、わたしが八つ当たりしてもいい相手だ」
「感情的になってもいい相手だ」
と認識されてしまいます。
注意をしない相手を下に見るので、言わなければ改善されることはありません。
こちらからの意思表示を相手にわかるように伝え、これ以上感情をぶつけられないようにすることが必要です。
対策としては、相手を責めるのではなく、「嫌だ」というサインを送るようにします。
「書類を投げるように置くのは、やめてもらいたいんだ」
「その言葉には傷つくよ」
「注意したときに、すぐに「でも」と言い訳しないでほしい」
このように、相手に知らせなければ、ずっと本人は気づかないままです。
直らないうえに、ときには態度が増長することもありえます。
■「事実」と「やめてほしいこと」を伝える
このタイプに伝えるときのポイントは、まず「事実」を話すこと。
たとえば、
「いつも嫌そうな反応をするのをやめてほしい」
とこちらの主観を伝えると、
「いつもではありません!」
「嫌そうな反応なんてしていないです」
と反発されかねません。
ですから、
「いまの言い方はやめよう」
「話し合いの場所でため息をつかれると、やりにくいんだよね」
と、短い指摘をします。
いま相手がしたことに対して感じたことや、やめてほしいことを、事実をもとに短い指摘にして伝えるようにしてください。
立場が上の人に対しても、同等の人に対しても、それは変わりません。
相手と同じように、こちらもイライラして伝えてしまうと、さらに変な攻撃をしてきたり、拗ねて嫌な態度をとってきたりする可能性も考えられます。
相手を責めずに、冷静に事実を伝えることがポイントです。
一方的に嫌な態度をされないために、意識してみてくださいね。
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