日付:2024年10月1日
■思い込みをはずそう
あなたは、自分の感情を表現できていますか?
「役職に就いてから、感情を出せなくなってしまった…」
こういった相談を受けることも少なくありません。
「役職者はむやみに感情をあらわにするものではない」
伝統ある大企業ほど、このような教えを受けることがあるようです。
そのため、「うれしい」「ありがとう」といったプラスの感情の場合でさえ、「感情の波を見せてはいけない」「ポーカーフェイスでなくてはいけない」という思い込みを持っている人もいます。
もちろん怒りを出しすぎるのは、避けたほうがいいでしょう。
でも、
「うれしくても『ありがとう』と言えない」
「嫌な顔ができなくなってしまった」
という声も耳にします。
このように、笑いや喜びといった、怒る以外の感情まで表現できなくなると、だんだん苦しくなってきてしまいますよね。
感情表現ができないのは、自分の感情を抑えつけているということ。
この状態は、じつは想像以上にストレスのかかることなのです。
■うれしいことからリアクションする
あるとき、50代の管理職の方が、「部下の女性から『プロジェクト成功おめでとうございます』と、声をかけられた」と話してくださいました。
その方が、「ありがとう」とひと言、笑顔で喜びのリアクションを返したら、その部下も笑顔になったとのことでした。
こういったことが、感情を表現するきっかけにもなります。
ぜひ、身近なことからはじめてみませんか?
自分では気づかず、仏頂面になってしまっていることもあるかもしれません。
そんなときは、日頃から自宅の鏡の前で表情の練習をしてみるのもおすすめです。
誰も見ていないときに、鏡の前で「おはよう」「お疲れ様です」と、笑顔で挨拶してみてください。
■感情を言葉にしてみよう
感情を言葉にする習慣を持つのもおすすめです。
「うれしいな」「困った」「これは気にかかって心配だ」「戸惑っちゃったな」「これは好きだな」と、自分の感情を実況中継する方法もあります。
身についてくると、とっさのときに言葉が出やすくなりますよ。
ある企業では、最先端の分野で活躍している研究職の男性が、とても人気者なのだそうです。
研究分野を耳にすると近寄り難いイメージがわくのですが、その人は、なんと「ももいろクローバーZ」の大ファン。
仕事のときはいつも冷静で、研究に没頭しているのに、ももいろクローバーZの話になると、打って変わってとても楽しそうに話しはじめます。
男性も女性も、そのギャップのとりこになってしまうのです。
趣味の話や飼っているペットのことなど、「こういうものが好き」「昔こうだった」と自分のプライベートの話をして自己開示してみるのもいいですね。
一気に親近感がわいて、まわりも関わりたくなります。
ぜひ、できることから取り入れて、感情を表現していきましょう。
『アンガーマネジメント大全』
(日経BP 日本経済新聞出版)好評発売中!