日付:2024年06月20日
■まず相手のクレームを傾聴し、解決方法を探ろう
相手からクレームを受けたとき、余計に怒りを増長させてしまった経験はありませんか?
クレームを受けたときには、できる限り相手の怒りを最小限におさめたいところです。
クレーム対応時こそ、「積極的傾聴」を意味する、アクティブ・リスニングのスキルを発揮しましょう。
相手がクレームを言うときは、不満を抱えたり、不愉快な思いをしたりしているということです。
相手がネガティブな感情を持っているときには、怒りをぶつけてくることもあります。
まず、初期の対応として、相手の言い分にお詫びをしつつ、耳を傾けることが大切です。
当然、こちらに非があると判断したら、すぐに「大変申し訳ありません」と誠意のあるお詫びの言葉は欠かせません。
そして、クレームを言っている人が、
・何が原因なのか
・そのときどんな状況だったのか
・どのような気持ちになったのか
・今後どうしてほしいと望んでいるのか
ということを把握するために耳を傾けましょう。
そのうえで、こちらとしてどのような提案ができるのか、解決方法に話を持っていくことが得策です。
■ただ謝るだけでは逆効果になることもある
クレーム時に、ひたすら「申し訳ありません」と、謝り倒すだけになることもよくあります。
もちろん、謝罪をすることは大切ですが、何度も繰り返し言うだけでは逆効果です。
「本当に悪いと思っているのか、早く終わらせようと思っているのではないか…」と思わせ、さらに不快感を与えてしまうケースもあります。
また、
「商品に何らかの欠陥があった」
「こんな失礼な対応をされた」
とお客様から言われた瞬間に、
「本当に申し訳ございません。今後は〜のように対応します」
「では、交換します。今度、このようなご提案ができます」
とすぐに解決策を提示してはいませんか?
そうすると、
「ちょっと待って。わたしの話をちゃんと聴いてないよね」
「早く片づけようと思っているよね」
と、さらなるクレームに発展してしまうことも…。
まず、初期対応で大切なのは、相手の話に耳を傾けることです。
先ほどお伝えしたように、「何が原因で、どのような状況で、どのような気持ちを抱え、
どうしてほしいと相手が望んでいるのか」を把握できるよう、丁寧に傾聴しましょう。
このステップを忘れて飛び越えると、「わたしの話をきちんと聞いてくれなかった」という2次クレームが起きてしまうこともあるのです。
■クレームから信頼を得られることもある
ときには、お客様からの要望を100%叶える提案ができないこともあるかもしれません。
でも、
「この担当者は、ひとまずわたしの話を真摯に聴いてくれた」
「誠意をもって聴いてくれた」
と思ってもらえれば、相手の気持ちも静まり、満足するケースもあります。
反対に、十分に話を聴かないまま解決策や提案をして、火に油を注がないよう注意が必要です。
人は誰でも「自分の話を聴いてほしい、理解してほしい、共感してほしい」という要望を持っています。
ですから、話を聴いてくれる相手には、好意や信頼感を抱きやすいのです。
たとえ、クレームを受けたとしても、そこから信頼関係を深められることもあります。
まずは、相手の言うことに真摯に耳を傾け、「話を聴いている」と伝わるような「アクティブ・リスニング」を心がけましょう。
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