-COLUMN-

いまこそ不安な気持ちを行動に変えていこう

日付:2020年05月27日

■不安な気持ちがわくのは自然なこと

「自分や家族が感染したらどうしよう…」
「先の見えない状況が続いているけど、この先どうしたらいいのだろう…」
世界中で新型コロナウイルスの猛威が広がり、日々不安を抱えている人が多いことと思います。

日本全国に発令された緊急事態宣言が解除され、徐々に日常に戻りつつある地域があるものの、まだまだ不安の声を聞かない日はありません。

そもそも不安とは、これから起こり得る出来事について心配してしまうときにわき上がってくる感情です。未来への恐怖感を感じたときに、生まれるのです。
研修の場でも
「仕事で失敗したらどうしよう…」
「予測しなかった事態が起きたら、わたしはどうしたらいいだろう…」
「職場であの人とうまくいかなかったらと思うと不安になる…」
といったご相談をよく受けます。

仕事でもプライベートでも、いろいろな不安がわいてくることは誰にでもあるものです。
でも、不安な気持ちになること自体は、決して悪いことではありません。

心配性の人は、リスクへの対処法を事前に考えて、備えることができます。
不安を解消するべく動くことで、リスクを最小限に抑えられます。
これは、生きるうえでは必要な能力です。

 

■不安をそのまま放置したり、誰かや何かのせいにしない

ただ、不安の扱いにもコツがあります。
起きてもいないことに恐怖心(不安)を感じたとき、
「○○したらどうしよう…」
「○○できなかったらどうしよう…」
と思うだけで、何も行動を起こさないのはNG。さらによくないのは、
「○○のせいでこうなった!」
「わたしを不安にさせた〇〇が悪い!」
と、人のせいにしたり、何かのせいにすることです。
こういったことを続けていると、不安だけでなく、怒りやストレスまで大きくしてしまうからです。

 

■対策を立てる→計画する→動いてみる

では、不安な気持ちがわいてきたとき、どうすればいいのでしょうか。
まずは、何に対しての不安なのか、また、不安に思っていることを回避するためには何ができるのかを考えてみましょう。
おすすめは、紙に書き出してみることです。できることを並べて計画を立ててみるのもいいですね。
紙に書いてみると、頭の中で考えるだけでなく、考えている内容が見える化し、整理しやすくなります。

計画を立てるときに
「こんなことをしてもどうせ無理だろう」
「こんな環境(状況)だからできるはずがない」
と決めつけず、
「この状況のなかでもできる対策ってないかな?」
「どんな準備ができる? 誰に相談すれば早い?」
と、いろいろな角度から考え、実際にその計画を行動に移してみるのです。

 

■自分でコントロールできること、できないことを見極める

ただ、世の中には、不安を抱いてもどうしようもないこともあります。
たとえば
「地震が起きたらどうしよう…」
「台風が直撃したらどうしよう…」
「コロナウイルスの影響が、この先ずっと続いたらどうしよう…」
こういったことは、自分ではコントロールができない範囲です。

自分でコントロールできないことについては、「この不安を大きくしないために何ができるだろうか」という方向に目を向けましょう。
たとえば、地震や台風などの自然災害は、自分で止めることはできなくても、防災グッズを準備したり、備蓄の見直しをしたり、避難場所や避難経路の確認をするといった対策はできるのではないでしょうか。

不安は決して悪い感情ではありません。扱い方次第です。
不安な気持ちがわいてきたら、その気持ちを否定するのではなく、受けとめて、適切な行動をするということを心がけたいものですね。