-COLUMN-

聴き手の反応を拾って、場の一体感を高めよう

日付:2021年09月1日

■余裕が出てきたら、聴き手の反応を拾ってみる

 

人前で話をするとき、自分の話を伝えることに必死で、相手の反応にまで意識がいかないというのはよくあることです。

とくにプレゼン慣れしていないような人にとって、伝えたいと思っている内容を伝えきることはもっとも大切なこと。

 

でも、人前で話をすることに慣れてきたと思うのなら、次は聴き手の反応を見て、そのリアクションを拾っていくことを意識してみましょう。

これができるようになると、場の一体感が生まれます。

 

たとえば、こちらが話をしているとき、首をかしげていたり、「難しい」とひとり言のように感想を口にする人がいたとします。

そういうときはすかさずその反応を拾って、

「はじめて聞く人にとっては少し難しい内容なのでもう一度説明しますね」

と返したり、

「難しいと思いますよね、たしかに慣れない人にとっては難しく感じるところかもしれません」

とリアクションに答える形で進めます。

 

逆に、うなずいている人がいたら

「うなずいてくださる方がいてうれしいです」

と返してみましょう。

 

■聴き手とのコミュニケーションが満足度を高める

 

最初のうちは、マイナスのリアクションにばかり目がいってしまうかもしれません。

でも、マイナスの反応を拾いすぎると、雰囲気を悪くしてしまうので、プラスの反応にも目を向けるようにしたいですね。

 

☓ ネガティブな反応を拾いすぎる…「いま難しいという顔をしていましたよね?」

☓ 注意する…「勝手に話をしないでくださいね」

 

◯ 共感…「『難しい』と思ってしまいますよね」

「うなずいてくださってありがとうございます」

◯ 回答…「期限について不安の声がありましたが、だいたい3日程度で仕上げることができます」

 

このようなやりとりをしながら進行していると、いつの間にか聴き手は一対一ではなくてもコミュニケーションがとれているような感覚になり、話に引き込まれていきます。

 

そうして一体感が生まれると、結果的に場に参加している人たちの満足度もぐっと上がります。

まわりを見渡す余裕が出てきたら、ぜひ聴き手の反応を拾っていくように意識しましょう。

 

■さりげなくまわりに話を振る

 

あなたは会議やミーティングの場で、さりげなくまわりに話を振ることはできていますか?

まわりを見渡す余裕ができていれば、話ができていない人に話を振ることも自然にできているかもしれませんね。

これができる人は、場の主導権を握れる人です。

 

たとえばグループで会話をしているときでも、全体を見てその場にいるメンバーにまんべんなく話を振ることができると、日頃からまわりへの気づかいができる、頼りになる人に思われます。

全体を見渡して、仕切って、話を振る。

この能力があれば、どこにいっても欠かせない人材になります。

 

☓ まわりを気にせず、ひとりで自分の言いたい内容を話し続ける

☓ 自分の興味のある話にだけ食いつく

☓「◯◯さん、ずっと黙っているけれど、何か言いたいことは?」

☓(ほかの人に話を振らないで)「みなさんもそう思いますよね?」

 

◯「会議では全員の意見を伺いたいと思っています。◯◯さん、いかがですか? なんでもかまいませんので、お聞かせいただけますか?」

◯「◯◯さんの意見もぜひ聞かせてほしいのですが、いかがでしょうか?」

◯「□□のことと言えば、◯◯さんがくわしいと思いますが、◯◯さんどう思いますか?」

 

このように、会議やミーティングで自分の意見を言えていない人に発言をうながしたいときには、相手が答えやすいような質問にして話を振ってみましょう。

 

 

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