日付:2020年11月18日
■誰かのせいにしていませんか?
なにかミスをしても謝罪をせずに、いつも誰かのせいにしている人が、あなたのまわりにもいませんか?
「ミスをしてまわりに迷惑をかけているのに、謝らない人がいてとても嫌な気持ちになります」
「わたしが意見を言うと、逆ギレしたり、開き直ったりするんです」
こういう話、じつはよく耳にします。
謝ることが苦手な人が多いということがわかりますよね。
自分の間違いや失敗を認め、きちんと謝罪することは、とても大切なことです。
謝罪しない人は、それをしてしまうと自分が相手に負けた気がする――という気持ちがあるため、謝罪ができないのです。
でも、コミュニケーションは勝ち負けではありません。
でも、勝ち負けだと思っている人は、何か問題が起こったとき、自分以外の誰かのせいにしたり、ごまかそうと言い訳したりして、自分の非を認めようとしません。
■言い訳やごまかしは、自分の価値を下げてしまう
「教えてもらっていません。はじめて聞きました」
「◯◯さんがやっていたので、わたしも同じようにやっただけです」
「悪気があってしたわけではないんです」
こんなふうに自分を擁護するような言動ばかり繰り返していると、自分の評価や価値を下げることになります。
新入社員の育成を任されている教育担当の複数の方から、同じような話を聞きます。
どういうものかというと、指導やアドバイスをするとき、たとえば「もっとこうしたほうが効率的にできるよ」と言うと、素直に聞き入れる人と、真っ先に言い訳をする人に分かれるというもの。
不公平感が出てはいけないと思い、誰にでも平等に指導しようと思っていても、上司自身にも感情があります。
素直に話を聞く新人と、言い訳ばかりの新人では、どちらをサポートしたいと思うか、一目瞭然ですね。
■気持ちのよい謝罪は、まわりの信頼を得るきっかけに
わたしが研修先の会社で出会った、ある部長の話です。
彼は、部下からの信頼の厚い人でした。仕事ができるのはもちろん、失敗など自分の非を素直に認める度量の大きい人です。
でも、彼が信頼されているのは、それだけではなく、自分の意見よりも、部下のほうがよい意見を提案していると思ったときには話を聴いたり、言い過ぎたと思えば、あとから個別にさり気なく謝ったりと、フォローを欠かさないのです。
立場の上下に関係なく、自分の失敗や誤りを素直に認められる人は、まわりの人たちから信頼されます。
失敗は誰にでもあります。とくに新しいことに挑戦しようとしたり、自分で率先して動こうとすれば、はじめは間違えたり、まわりに迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
ただ、失敗をして、まわりに迷惑をかけてしまったときの対応で、大きな差が生まれます。大切なのは、失敗を認め、頭を下げること。謝罪とは、「してしまった行為」に対してするものです。自分の価値を下げたり、自分自身を否定することではありません。そこを勘違いしてしまうと、謝れない人になってしまいますね。
■誠実な謝罪は、クレームもチャンスに変えられる
クレームをつけたお店にも関わらず、店側の誠意ある対応に、クレームを言ってきたお客様がファンになってしまったという事例はいくつもあります。
つまり、「してしまった行為」に対して、迅速で誠意あるお詫びができるかどうかが重要なポイントです。
たとえ、クレームがくるようなミスをしても、謝罪をして、今後どうするのかを迅速に誠意を持って伝えていれば、お客様は逆に好印象を持ち、評価が上がることもあるのです。
謝ることは相手に負けることではありません。人から信頼される人ほど、コミュニケーションが勝ち負けではないということをよく理解しています。
誠意ある謝罪は、自分の価値を下げるどころか、評価を上げることさえあるのです。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「あのときは、失礼な言動で傷つけてしまい、ごめんなさい」
何かしてしまったときには、自分のしたことを素直に認め、心からの謝罪の言葉を伝えたいものですね。