-COLUMN-

注意しても改善がみられない相手と対峙するとき

日付:2023年08月20日

■自分の努力で何とかできるものか、線引きも必要になる

 

人と関わるなかで、相手に改善がみられず困ってしまうことはありませんか?

 

直してほしいところを伝えても、相手に改善がみられない場合は、その都度「こうしてほしい」と相手に注意する必要があります。

それでも、何度も残念な振る舞いを繰り返す人もいるでしょう。

そのようなときは、「これだけの繰り返しがある」という現状を確認して、「これ以上繰り返すことは困る」と伝えることが大切です。

 

「これ以上は困るよ。◯◯という弊害が起こっているのだから。取引先に迷惑をかけて、チームの結果に影響してしまうよ」

「今後、一緒の職場で働いていくにあたって、改善してもらいたいと思っている。どうしたら改善できそうか一緒に考えていきたい」

このように、状況と周囲が受けている影響を伝え、打開策を検討しなければいけないと持ちかけましょう。

 

実際に、現場では、能力的に解決が難しいケースの人も出てきます。

「もう無理だ…」と手を焼いてしまったことも、あるのではないでしょうか。

 

これはアンガーマネジメント(怒りを扱うための手法)で使われている考え方ですが、かなり改善が困難な人に対峙するときには、

「これは自分が何か行動することで変えられる(コントロールできる)範囲、これはどう考えても変えられない(コントロールできない)範囲」

と線引きすることも、ときには必要です。

 

変えられない(コントロールできない)と判断した場合、チームや部署として、皆でカバーしていく方法を考えなければいけません。

 

■ときには割り切り、ストレスを抱えないようにしよう

 

改善がみられない人と関わる場合、まわりから怒りが噴出することがあると思います。

このようなときは、アンガーマネジメントと同様に、解決志向で策を練ることが得策です。

自分が何かを言ったり、コミュニケーションをとったりすることで何とかなると思うのなら、相手に伝えましょう。

 

何回言っても、何回働きかけてもどうにもならない相手や状況を前にして、

「なぜ改善しないのか? なぜこんなことをするのか?」

と思い詰めても、現状は変わらないばかりか、怒りやストレスが溜まってしまうことも…。

 

「わたしが何かを言って働きかけたところで、どうにも変わらない…。何の変化も期待できない」

と心から感じてしまったら、思いきって

「これは難しい。解決は無理!」

と割り切るようにしましょう。

 

すべての案件を100%解決できる人は、ほぼ存在しません。

何をしてもどうにもならないときには、割り切る判断をすることも大切です。

自分がこれ以上のストレスを抱えないために、どう違うアクションをとったらいいのか、どう受けとめたらいいのかを見極めましょう。

 

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