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コミュニケーションのすれ違いを防ぐ、画期的な傾聴力「アクティブ・リスニング」

日付:2023年09月10日

■「アクティブ・リスニング」は、現代に求められる力

 

「違う世代の人が、何を考えているのかがわからない」

「1on1ミーティングの時間をとったけれど、何をどう聴いたらいいかわからない」

「価値観に違いのある人とのコミュニケーションはどうしたらいい?」

 

こんな思いを感じたことはありませんか?

 

わたしのもとには、日々さまざまなご相談が寄せられます。

コミュニケーションの悩みは、誰もが持っていて尽きないものです。

これまでに30年間、のべ25万人の人に研修を通して「わかり合うコミュニケーション」をお伝えしてきましたが、コミュニケーションの行き違いのなかには、すぐに対応できるケースもあれば、わかり合うために根気のいるケース、とても大変なテーマのものもあります。

 

このコラムを読んでいるあなたも、「人」の問題に頭を悩ませることはないでしょうか?

 

人と対話するなかで生じる数多くの問題を解決してくれるのが、今回お伝えする「アクティブ・リスニング」です。

アクティブ・リスニングは、直訳すると「積極的傾聴」を意味し、わたしの解釈では、次のようにとらえています。

 

・相手に話を聴いているということがわかるように表現できること

・相手の言わんとすることを正確に理解し、ときには質問をしながら話を引き出し、共感しながら受けとめ、耳を傾けられること

 

いま、なぜアクティブ・リスニングが必要とされているのでしょうか?

それは、人は誰でも「自分の話を聴いてほしい、耳を傾けてほしい、理解してほしい、共感してほしい」という要望を持っているからです。

そのため、自分の話を聴いてくれる相手に、人は好意や信頼感を抱きます。

よりよい人間関係を築くには、相手にわかってもらえるように話すことも大切ですが、いかに相手の話に耳を傾けるかということも非常に重要です。

 

とくに、ここ数年で、価値観の多様化を実感している人も多いのではないでしょうか。

異なる価値観や意見を持った人たちが一堂に会するなか、いかにコミュニケーションによって違いを埋めるのかということが欠かせない要素になってきています。

そのために、相手の話に耳を傾けながら、違いを知り、すれ違いをなくしていくという実績の積み重ねが、以前より求められているのです。

 

 

■相手の話に耳を傾けることで、防げるすれ違いもある

 

近年では、部下の話に耳を傾けるために1on1ミーティング(1対1での定期的な面談)の時間を設ける組織が増え、一層聴く力の重要性が注目されるようになりました。

そこで気をつけたいのは、貴重な話し合いの場ですれ違いが生まれたり、思い込みで相手を決めつけたりしてしまうことです。

 

長年世代を問わず、本当に多くの人のコミュニケーションの悩みに触れてきましたが、

「相手の話に耳を傾け、話を引き出せば、すれ違いも起きなかったのに…」

と感じる相談は、少なくありません。

 

たとえば、「Z世代はこういうもの」という世代の特徴はあるものの、同じ世代全員に当てはまるわけではありませんよね。

相手が思っていること、考えていることに耳を傾けられるようになると、決めつけから起こるトラブルは防げるはずです。

コミュニケーション不足によるトラブルの回避は、とくにマネジメント層にとっては欠かせない、必須スキルです。
 

 
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