-COLUMN-

ネガティブなフィードバックをしつつ、相手のやる気を引き出すには?

日付:2025年10月20日

◼️現状と改善点を理解してもらう

ネガティブなフィードバックをする際、

伝え方に悩むことはありませんか?

 

たとえば、相手に改善してほしいことがあるときには、

まず「どのように変えてほしいのか」を明確に伝えることが欠かせません。

 

そのときに大切なのは、

・現在の状況を正しく共有すること

・どのように改善すればよいのかを具体的に示すこと

の2点です。

 

この2つが伝わっていなければ、

相手はどう動けばいいのかわからず、

結果的に問題が悪化してしまうこともあります。

 

例として、部下が作成した資料に

フィードバックをする場合を考えてみましょう。

 

「◎ページに図やグラフを入れたことで、

とてもわかりやすかったですね。

あとは、□ページからの内容に対して

裏づけのデータが掲載されていなかったことで、

説得力を欠くことになっていたから、

この点について補足してもらえますか」

 

このように、課題点を伝えるときも

「よかった点」と「改善してほしい点」

を両方伝えることが大切です。

 

何ができていて、

これから何を意識すればよいのかが明確になり、

受け取る側も前向きに受けとめやすくなります。

 

フィードバックは、相手の成長を支えるためのもの。

できるだけ早い段階で伝えることで、小さな改善が積み重なり、

結果的に大きな成果へとつながっていくでしょう。

 

◼️「会社のリスク」と「本人のデメリット」をセットで伝える

 

言い訳をしてその場をしのごうとする人には、

短期的な対応ではなく、

長期的な視点を持ってもらうことが大切です。

 

ミスを認められずに自己防衛してしまうのは、

目の前のことしか見えていない状態ともいえます。

 

このまま放置すれば、問題はさらに大きくなりかねません。

 

だからこそ、今後のリスクを具体的に伝え、

未来を見据えて考えてもらう必要があります。

 

その際には、相手が「自分のこと」として

受けとめられるように伝えることがポイントです。

 

たとえば、

「このまま改善が見られなければ、

結果的にこういった影響が出てしまうかもしれません」

というように、今後のデメリットを

具体的に説明すると効果的です。

 

上司

「小さなミスでも積み重なると、

いずれ大きな問題につながっていきます」

 

上司

「周囲からのフィードバックを受け入れないままでいると、

将来的にFさん自身やチーム全体に

こうした影響が出る可能性があります。

だから、今後はこの点に気をつけてみてください」

 

どんなに言葉を並べても、

行動が変わらなければ

同じことの繰り返しになってしまいます。

 

相手が主体的に取り組めるように、

「組織全体のリスク」と「本人自身のデメリット」

の両方をバランスよく伝えることが大切です。

 

伝えなければ、相手に意図は届きません。

ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックを

うまく使い分けることで、より建設的で

風通しのよいコミュニケーションが生まれていきますよ。

 

 

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