-COLUMN-

自分の意図が伝わるフィードバックのポイントとは?

日付:2025年07月10日

◾️5つの心構えを知っておこう

 

フィードバックをする際に、

「相手に言いたいことをうまく伝えられなかった…」

「自分の意図と違う解釈をされてしまった…」

こういった経験をしたことはありませんか?

 

フィードバックをするにあたり、

大切にしたい5つの心構えがあります。

今回は、まず3つ解説していきましょう。

 

◾️1 相手を主役にする

 

フィードバックは、相手の成長をうながし、

新たな可能性を広げるために必要な改善の機会になります。

だからこそ、「理解しやすい」「受け入れやすい」「行動に移しやすい」

という意識を持って行うことが重要です。

常に相手を主役に据えて、成長につながるよう工夫しましょう。

 

「改善してほしい」と相手に言いながら、

自分の思い通りにならないことへの苛立ちや、

相手の行動によって自分が不利益を被った不満を

ぶつけてしまうケースも散見されます。

でも、これはわたしが提唱するフィードバックとは

根本的に異なるものです。

 

◎事実や感情を伝える

相手がしたこと(事実)で自分が困ったことになった、心配になった、不安を感じた

 

✕相手を否定する

感情的に相手を責める、人格を否定する、やり込めてしまう

 

「相手が主役」ととらえることで、自然と選ぶ言葉も変ってきます。

 

また、相手にも事情や言い分があります。

一方的に自分の意見を押し付けるのではなく、

相手の話にも耳を傾ける姿勢が大切です。

フィードバックの場では、

常に相手が主役であることを忘れないでください。

 

◾️2 立場が違っても対等に向き合う

 

フィードバックを行う際には、年齢やキャリア、

専門知識の量、スキルの差、立場などの上下の違いはあっても、

心のなかでは常に相手と対等に向き合うことが重要です。

 

「わたしのほうが正しいのだから、言う通りにすればいい」

「相手よりも専門知識のないわたしが、
『**したほうがいい(改善したほうがいい)のでは?』
なんて言うのは、失礼にあたるのではないか…」

「彼女は年上だから、年下のわたしの意見など聞いてくれないかもしれない…」

 

心のなかで相手を見下すことや、

必要以上にへりくだることをしてしまうと、

相手と対等な関係を築くことは難しくなります。

 

立場が下であることや人生経験が短いことで、

相手にフィードバックやアドバイスを

してはいけないということはありません。

 

率直に言いたいことを伝えられなかったことで、

「なぜ言えなかったのだろう…」「伝えておけばよかった」と、

あとで自己嫌悪に陥る人や後悔を抱く人もいます。

でも、こういった考え方は、すべて自分の思い込みです。

 

心のなかで自分と相手を対等に見られるようになると、

フィードバックに限らず、

コミュニケーションのストレスが大幅に減ってきます。

 

◾️3 素直に率直に伝えよう

 

フィードバックは素直に、率直に伝えることがもっとも効果的です。

たとえば、ネガティブなフィードバックを伝えるとき、

率直に伝えられないことで、前置きが長い、まわりくどい、

言い訳がましいといった言い方になる人がいます。

 

伝わりにくい

「Uさん、がんばっているとは思うし、それは認めているんだけれど…
とは言っても気をつけたほうがいいかなと思うこともあって…、
それは言ったほうがいいかなとも思っていて…
いろいろと話せたらいいなと思って…」

 

こういった曖昧な表現になるのは、

嫌われたくない、反抗的な態度をとられたくない、

うまく伝える自信もない…、

という気持ちが原因になっているのかもしれません。

でも、まわりくどくなればなるほど、

結局、何を伝えたいのか、相手に伝わりにくくなります。

 

伝えやすそうなポジティブフィードバックでも、

率直に言えないという人もいるものです。

このようなタイプの人たちには、次のような傾向が見られます。

 

・心のなかでは認めているのに「相手が調子に乗るから」と素直に言えない

・照れ臭い気持ちから、率直に言えない

・人をほめたたことがないので、「自分のキャラではない」と言葉に出せない

 

ポジティブなフィードバックは、

一見、相手をほめることと似ていますが、じつは違います。

「ほめる」行為は、ときに評価をともない、上下関係にあたるものです。

一方で、ポジティブフィードバックは、

対等な立場であらゆる関係性の人に向けて伝える、

ポジティブなメッセージを指します。

 

言葉にして伝えなければ、

あなたが認めていることは相手に伝わりません。

素直に口に出すことで、相手の成長をうながし、

さらに望ましい行動へとつながります。

 

ポジティブなフィードバックも、ネガティブなフィードバックも、

あなたの考えが伝わるように率直に表現することが大切なのです。

 

次回、フィードバックの際に大切にしたい心構えを、

あと2つご紹介しますね。

 

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