-COLUMN-

マネジメント層には欠かせない「フィードバック」とは?

日付:2025年07月1日

■フィードバックから3つの気づきを得られる

 

「フィードバック」という言葉を聞いて、

あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?

 

上司から部下へのコミュニケーションの方法やダメ出し、

耳の痛いことを言われる…。

 

こういった印象からフィードバックをするのもされるのも苦手、

という人も少なくありません。

 

わたしは「フィードバックは、相手へのギフト」ととらえています。

 

なぜなら、フィードバックを受けることで、

その人に多くの気づきが生まれるからです。

 

そして、フィードバックを通じて、

3つのことが得られると考えています。

 

①個人やチームの成長や改善につながる

②課題を乗り越える勇気づけになる

③気づかなかった新たな視点、学びの提供になる

 

こういったことに気づけるからこそ、

「フィードバック=相手へのギフト」になるのです。

 

 

■ネガティブなフィードバックもギフトと受けとめよう

 

一方で、ネガティブなフィードバックを受けることに、

マイナスの印象を抱く人も多いかもしれません。

実際に、「相手から指摘されることは恥だ」と考えている人もいます。

 

でも、もっとも避けたいのは、

「どうせこの人に言っても無駄だ」とまわりからあきらめられ、

誰からもフィードバックをしてもらえなくなることです。

 

伝える側にも負担がかかります。

相手にとって耳の痛いことを伝えるには、それ相応の覚悟が必要です。

そのため、フィードバックに素直に耳を傾けず、拒否してしまっていたら、

次第に誰も適切な指摘をしてくれなくなります。

 

「この人にわざわざエネルギーを費やして伝える必要はない」

とあきらめられてしまうのは、

ネガティブなことを言われるよりもつらいことではないでしょうか。

 

 

とくにネガティブなフィードバックは、

今後もよりよい形で一緒にやっていきたいと思っているからこそ、

言いづらいことをあえて伝えているのです。

 

ポジティブフィードバックもネガティブフィードバックも、

どちらもギフトだととらえたいものですね。

 

わたし自身も、30年以上にわたって講師業に従事してこられたのは、

師と仰ぐ人々や取引先、エージェントの担当者の方々が、

フィードバックしてきてくださったからです。

そのおかげで、自分自身を俯瞰することができました。

 

耳の痛いことを指摘されて、

自己嫌悪に陥って立ち直れなくなるようなことがあっても、

「せっかくここまで言ってもらえたのだから、ここで落ち込んでいる場合ではない」

そう思えるような、

意味のあるフィードバックをいただき活かしてきたことで、

いまのわたしがあります。

 

自分だけの気づきでは小さな枠におさまってしまうところ、

よきフィードバックに出会うことで、

自分自身の枠を軽々と超える成長が得られるのです。

 

だからこそ、育成する側であれば、

よくないところを指摘するだけで終わるのではなく、

次にどうすればいいか、

相手にわかるように伝えることが欠かせません。

 

 

■フィードバックは信頼関係を深めるコミュニケーションスキル

 

フィードバックは、長所や強みを伸ばし、

「こういったことで貢献できる」という勇気を与え、

モチベーションアップにもつながります。

 

そして、「次からこうすればいいんだ」という気づきを得ることで、

課題を乗り越えるヒントにもなるのです。

 

また、相手からフィードバックを受けることによって、

ときには自分では気づかなかった改善点を得ることができます。

 

ですから、フィードバックを受ける人は、

「この部分ができていなかったんだ。こういう取り組みが必要だったんだな」

と素直に受けとめて、学びにつなげていきましょう。

この積み重ねによって、着実に信頼関係が深まっていきます。

 

フィードバックをする相手は、上司から部下や後輩だけに限りません。

仕事の場面だけでなく、同僚、上司、取引先、パートナー、友人、家族など、

プライベートでもフィードバックが求められる場面があります。

 

フィードバック力が身につけば、仕事でもプライベートでも、

1対1の関係性をよくすることができるのです。

 

さらに、チームの士気を高め、

組織のなかでのパフォーマンスを上げていくことで、

絆を強くすることにもつながります。

 

フィードバックは、よい人間関係を築くために、

誰もが身につけておきたいコミュニケーションスキルなのです。

 

ぜひフィードバックの力を活かして、

コミュニケーション能力を上げ、

相手との信頼関係を深めていきましょう。

 

 

 

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