日付:2025年03月20日
◾️「売り言葉に買い言葉」はもっとも避けたいことのひとつ
最近では、アンガーマネジメントの認知も広まり、一般的になりました。
でも、まだそれほど知らないという方にも、
簡単で効果的なポイントをお伝えしたいと思います。
アンガーマネジメントで一番やってはいけないことのひとつが、
怒りに任せた衝動的な行動をとることです。
売り言葉に買い言葉のように、やり返すということは避けたいもの。
人は怒りが生じても、6秒たてば理性が働き、
怒りに任せた衝動的な行動はしなくなります。
そのため、イラッとしたり、怒りがわいてきたときには、
6秒やり過ごせるようにすることが得策です。
6秒とはいえ、人と対面しているときに、
ただ黙っていると不自然になってしまいます。
自然に取り組むには、たとえば、
「〇〇さんは、そういったお考えなのですね」
などと、ゆっくり相手の発言を復唱することがおすすめです。
復唱している間に6秒たつので、気持ちが落ち着いてきますよ。
この動作をはさむことで、衝動的で攻撃的な返答をして、
余計なトラブルを起こすことを回避できるのです。
そもそも、仕事やプライベートなど人と関わるなかで、
自分とは違う意見や違う価値観を持つ相手がいることはよくあります。
誰かがあなたと反対の意見を言ってきたからといって、
あなた自身を全否定するものではありません。
そこを、まずは理解しておいてください。
◾️冷静に相手の真意を尋ねる
では、実際に相手の反論を受けたとき、
どう切り返していけばいいのでしょうか。
まずは、先にお伝えしたように、
「〇〇さんは、わたしのこの意見に対しては違う意見なのですね」
と言葉を受けとめたあと、
「なぜそう感じたのか、背景を教えていただけますか」
と伝えます。
ポイントは、なぜ反対なのかを冷静に尋ねること。
こちらが冷静に返せば、
相手のリアクションも冷静になってくるものです。
◾️わかり合うには相手の背景を知る
相手が反論してくる際には、
感情的に言ってくる場合や穏やかな場合、
詰問してくるような場合も考えられます。
穏やかに言われる場合はそれほど問題ありませんが、
感情的に詰め寄られると、こちらもつい防衛心が働き、
やり返してしまいがちです。
そんなときこそ、なぜ相手が反論してきたのか、
その背景を知ることで、相手の考えを理解でき、
お互いにわかり合える基盤を築くことができます。
こちらが感情に流されず冷静に対応することで、
感情的なもつれを防ぐことができるのです。
相手:「この場合は、以前△△の件のときに問題があったので、
同じような現象が起こるのではないか心配なんですよ」
相手の反論の背景を聞いたうえで、
こちらがなぜそう思ったのか自分の考えを伝えます。
自分:「そう考えられる理由はわかりました。
今回は、△△の件の問題とは違う要因なので、
十分に防げると思うのです」
このように、感情に流されず、
お互いの意見を交わしながら対話や議論を進めることが、
本来の仕事において必要なコミュニケーションです。
反論されたことに対してイラッとしても、
冷静に相手が言ったことを返しながら、
まず6秒待つように心がけてみてください。
相手の感情にとらわれそうなときも、
アンガーマネジメントの手法を活用していきましょう。
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