日付:2025年03月1日
■休むことは悪いことではない
昨今では、リモートワークも当たり前になりました。
そんななか、
「休憩時間やお昼の時間に、ゆっくり過ごすことが悪いのではないかと感じる…」
という相談をよく耳にします。
ある人は、休憩中に自宅のソファーで横になったり、
テレビを観たりしてだらだらする自分に罪悪感を感じているそうです。
幼い頃に親から「ちゃんとしなさい」と教えられていたため、
自宅でオフィスにいるときよりラフな格好をしてリラックスしているだけで、
「ちゃんとしていない自分が、まるで怠け者のように感じる…」
と話していました。
その人は、リモートワーク中にやらなければいけない仕事を、
スケジュール通りに進めていました。
自宅でラフな格好をしてくつろぐことがあっても、
仕事をこなせていれば本来は問題ありません。
ところが、本人は
「もっと努力しなければいけない…」
と、時間の過ごし方を改善したい気持ちを強く持っていたのです。
このタイプの人は、のんびりリラックスすることや息抜きをすることを
「サボっている」ととらえてしまいがちです。
人は、いつも全力で過ごすことなどできません。
むしろ、生産性を高めるには、休むことが必要不可なのです。
■できたことにフォーカスする
人の集中力には、限界があります。
慶應義塾大学の島津明人教授によると、人間の脳が集中力を発揮できるのは、
朝目が覚めてから13時間以内とのこと。
さらに、起床後15時間以上経過すると、
酒に酔った状態と同じくらいの集中力しか維持できないそうです。
それなのに、「もっとがんばらないといけない」と感じる人は、ある意味とても真面目で、
自分に対するハードルが高くなってしまっている状態と言えます。
このハードルを見直していきましょう。
このタイプの人は、できたことにフォーカスする習慣を身につけることが得策です。
「この時間内にこれができた」
「通勤時間がかからない分、書類や資料の整理をした」
「家の片づけをした」
など、真面目な人ほどできたことがたくさんあるはずです。
人生は、常に100%、120%の結果を出せることばかりではありません。
適度な休息は、集中力や生産性を高めてくれます。
「いつも何か生産的なことをしていなければいけない」
という思い込みを見直し、手放していきましょう。
「もっとがんばらないといけない」
と感じる人は、ぜひ、できたことに目を向ける習慣を持ってみてください。
「マイナス」よりも「プラス」のことを見つけていけるといいですね。
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