-COLUMN-

ミスが多い部下にどう対応する? ひとりで抱え込まないための対処法

日付:2025年02月10日

■ひとりではなくチームで対応する

 

ミスが多いとわかっている相手に、安心して仕事を任せるのは難しいもの…。

「仕事を任せるときに安心できない…」と、気が気でない人も多いでしょう。

 

「え!? どうしてここでそれをするの!?」

「なんでこんなことをしてしまったの!?」

「なぜ、この報告をしないの!?」

このように、心配が頭によぎってイライラすることはありませんか?

 

話し合える相手なら、

「ここはこうしてほしいんだ」

「この仕事のやり方では、安心して任せられないんだ」

と率直に伝えて、すぐに改善をうながしましょう。

 

ところが、何度も指摘してもミスを繰り返す人もいます。

このタイプの人に悩む管理職の人は、じつはとても多いのです。

 

あまりにもミスが多すぎる場合、もしこちらが取引先の立場なら、

「この人との仕事は心配だな」

と感じた段階で、担当を替えてほしいと要求してもよいと思います。

 

それができない場合は、

「この人と仕事する際、リスクを最小限にするにはどうしたらいいか?」

と考えて取り組むといいでしょう。

 

たとえば、以下のような対策が効果的です。

・重要な仕事を任せる割合を減らす

・ほかの人よりも頻繁にチェックする

・ミスをする相手だとあきらめて、通常よりも細かく確認する

・一人前になることを期待しない

・イレギュラーなタイプと割り切る

・「ひとりで完璧にできるようにする」という考えをいったん手放す

・「人はこのように育つもの」という自分のセオリーを見直す

・本来はひとりでやるべきことでも、2人で取り組む

 

こちら側が柔軟性を持ち、考え方を変えることで、気持ちもラクになり、

建設的な進め方ができるはずです。

 

また、1対1で対応していると、自分だけが被害を被る可能性があります。

そうならないよう、かならずほかの人を巻き込んでチームで対応しましょう。

 

・メールでCCを使う

・チームで協力する

・仕事の重要度を相手の力量に合わせて進める

・進捗報告を頻繁に行ってもらいながらサポートする

 

このように、さまざまな対策を考えて実行していく必要があります。

あまりにも想像を超えることをされた場合、極端な例で言うと、

違う星の住人だと思って接してみるのもひとつの方法です。

 

 

■「できて当たり前」ではないこともある

 

大企業の新入社員であっても、一定の能力が期待されることは当たり前ではありません。

 

例 飲食業界の採用

飲食業界の例をあげると、支店を多く持つ企業では、地方の工場作業員の採用で、

割り算ができない人を雇うこともあるようです。

社長の前で「割り算ができない!」と堂々と宣言する社員に対しても、

手取り足取り丁寧に教える必要があります。

 

この企業の社長さんは、

「こういう人でも、少しずつ成長することができますよ」

とおっしゃっていました。

おそらく、ある程度のレベルの人材が当たり前という固定観念にとらわれていないからこそ、

丁寧な対応ができるのでしょう。

 

例 システム業界の採用

外国人採用を始めた、あるシステム会社の社長さんは、

「多くの企業から外国人社員とのコミュニケーションの難しさを心配されるけれど、

日本人の新入社員も、日本語が通じないこともあるからね。

外国人だから難しいと考えずに指導しているよ」

とおっしゃっていました。

 

このような話は、ほかの企業でもよく耳にします。

仕事を任せられない人に対して、先輩や上司にあたる人は負担が増えますが、

あらゆる手段を用意することが求められているのです。

 

 

■複数の方法で対処する

仕事を任せてハラハラする日々は、ついイライラして、ストレスもたまってしまいますよね。

ただ、「いつになったら安心して任せられるのだろう」と、不満を募らせることは時間の無駄です。

不満にフォーカスすると、イライラやストレスがむくむくと膨れあがってしまいます。

相手に対して怒りをぶつけても、状況は好転しません。

 

最小限のリスクですませる方法を考え、対策の選択肢を用意しておくことが大切です。

さまざまな手段で対応し、改善したいものですね。

 

 

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