日付:2025年02月1日
■「こうあるべき」をゆるめよう
人と比べて、「なぜ、わたしはできないのだろう…」と、自分を責めてしまったことはありませんか?
自分を責めたりイライラしたりする人は、自分に対しての期待値が高いと言われています。
「自分はここまでできるべき」
「ほかの人がしていることは、自分も取り組むべきだ」
と思ってしまうのです。
ほかの人と比べる場合も、あるひとりと比べるのではなく、さまざまな人と比べてしまいます。
ただ、完璧なことを求めすぎると、結果的に自らを追い詰めて自己嫌悪に陥ってしまうことも…。
その結果、前に進めなくなってしまうのです。
自分にイライラしがちな人は、親や教育者に、まわりと比較されて育ってきたという背景を持っていることがあります。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんはできるのに」
と比べられたり、小さいときには学校の同級生とも比べられたりしたことで、「こうあるべき」という発想がクセになってしまうのです。
いつも「こうあるべき」という思考が働いてしまうのは、とても苦しいことではないでしょうか。
■できることを受け入れていますか?
些細なことでも自分ができていると、「当たり前だ」と思ってしまう人は少なくありません。
たとえばわたしが
「〇〇さん、こういうことができるのですね。わたしから見れば、かなりレベルが高い範囲のことですよ」
と言っても、
「これくらい当たり前です」
と返ってくることもあります。
このタイプの人は、
「できることは当たり前。できないことは、もっとこうあるべき」
と考えてしまいがちです。
この考え方を続けていると、どんどん苦しくなってしまいます。
あまりにも自分を追い込みすぎると、悩みを抱え込み、メンタルが不安定になってしまうことも…。
弱みを吐き出せない分だけ、苦しみも倍増するのです。
人にほめられても、謙遜ではなく
「いや、いや、いや」
「まだまだです」
「普通ですから」
と本気で答える人もいます。
■できることに目を向けよう
どれだけ「他人と比べてできない」といっても、ほかの人の一部分を見ているにすぎません。
まわりからすると「こんなにできている」と見える人であっても、家ではできていないところなどたくさんあります。
どんな人でも完全体ではないのです。
「この人と比べて自分はできない」というのも、自分の思い込みの可能性もあります。
比べている相手よりできていることが、どこかにあるはずです。
いつもほかの誰かを基準に生きていたら、自分の人生を見失ってしまうことになります。
人と比べて自分を卑下することは、もうやめませんか?
「ここの部分については、わたしはできている」
「これはまだ完璧にできないけれど、7割ぐらいできていれば『まぁ、いいか』と思おう」
そうとらえられるものを見つけましょう。
「こうあるべき」という思い込みも、自分ができていることに目を向けていけたら、ゆるんでいくはずですよ。
■「サクセスログ」を活用する
「サクセスログ」というものをご存じでしょうか。
サクセスログとは、アンガーマネジメントのテクニックのひとつです。
些細なことでもいいので、「これはうまくいった」「これができた」という記録をとっていきます。
たとえば、
・朝、いつもより早く起きることができた
・期限に間に合って提出できた
・頼まれたパワーポイントがきれいにできて「ありがとう」と言ってもらえた
・プライベートでつくった料理がおいしくできた
このように小さなことでも、できたことを書いていきます。
これを続けていくことで、「できて当たり前」という感覚が少しずつ改善されていくのです。
実際に、自分が当たり前だと思っていることも、サクセスログに記録をつけていった結果、
「人と比べて、情けないことばかりではないという自分に気がついた」
という人も数多くいます。
できているところに目を向けていると、100%できなくてもいいのではないかと思えてくるでしょう。
サクセスログの目安は、できたことを1週間に2個ぐらいから書いてみるのがおすすめです。
できたことを書けなかった自分を、情けなく思う必要もありません。
自分に対する「こうあるべき」をゆるめると、いいところに目を向けるきっかけにもなります。
できていることがある自分も、認めてあげられるといいですね。