-COLUMN-

「この人はサイコパス? ソシオパス?」いわれのない誹謗中傷を受けて困惑したとき

日付:2024年12月10日

◾️常識が通用しない人は、本人に自覚がないことが多い

 

「サイコパス」や「ソシオパス」という言葉を、ご存じでしょうか。

反社会性パーソナリティ障害のひとつで、最近よく耳にするようになってきた言葉です。

「障害」とまでは行かずとも、「常識が通じない人に困っている」という相談は、非常に増えています。

 

たとえば、相手に以下のような行動が見えた場合は、注意が必要です。

 

・人格を否定するようなことを言う

・いきなり態度が豹変する

・信じられないような暴言を吐く

・いわれのない誹謗中傷をする

・事実と違うことをワーッと言いはじめる

 

このようにまわりが困惑するような言動をしていても、ほとんどの場合、本人にはその自覚がありません。

もしも、このようなわけのわからないものをぶつけられたときは、相手にぶつけ返さないようにしましょう。

反論すると、相手に逆恨みをされる危険性があります。

 

常識が通用しない人と関わっていく場合、ひとりで抱えないことが得策です。

そして、できるだけ早くまわりの人たちと、状況を共有するようにしてください。

「こういう態度をとってしまう人だ」

と周囲がわかったうえで、どう冷静に対応するのかをチームで把握し合う。

これが最善策です。

 

◾️常識が通用しない場合はまわりに共有しよう

 

例 普段はとても面倒見のいい女性が、別人のように豹変するケース

 

たとえば、ある女性上司は、普段はとても優しく、仕事の面倒もよく見てくれていたそうです。

でも、部下の女性が流産をして、一時的に仕事ができなくなったとき、

「あなたのせいで、わたしが大変なのよね」

と暴言を吐いたことがありました。

 

また、仕事を代わってくれた男性に

「ご迷惑をおかけしました」

と部下の女性がお詫びをすると、

「そうやって、男の人に同情されようとするのはやめてくれない?」

と女性上司が言ってしまうことがたびたびあったそうです。

 

もし、ここでひとりで抱え込み、

「どうしてここまで言われなくてはいけないの?」

と思い悩んでしまったら、耐えられなくなってしまいますね。

 

このときは、まわりの人から

「みんなはわかっているからね」

「彼女はほかの人にもそんなふうに言うから、重く受けとめないほうがいいよ」

と声をかけられたことで救われたそうです。

 

このような人と関わるとき、ひとりで抱えていたら潰れてしまいます。

関わっている人たちと声をかけ合い

「こういう場合は、こうしよう」

と、チームでうまくフォローできるように、対応を考えていきましょう。

 

例 不正をした人が不当解雇を訴えてきたケース

 

ある会社に、まわりの人に暴言を吐いたり、虚言・妄想で場を乱したりしていた人がいたそうです。

結局、経歴詐称や仕事の不正、着服などが発覚したために退職したのですが、これを「不当解雇だ」と訴えてきたのです。

こういったタイプには、頭がよく、口がうまい人も少なくありません。

 

ところが、この人は転職先の面接時にも、同じような嘘をついていることが発覚しました。

内定を出した会社から

「この人の内定を取り消すために、不当なことをしたという証拠を集めているのですが…」

と連絡があったそうです。

 

このタイプの人の場合、改善は難しく、一生そのままの可能性が高いでしょう。

こういったケースには、正面から関わろうとすると疲弊してしまいます。

できれば、巻き込まれないようにしたいものです。

 

◾️一番の解決策は一定の距離をとること

 

その人がいなくなると、空気も変わり、どれだけの影響をもたらしていたのかがわかります。

こういった人の存在は、かなりの影響を与えているということですね…。

日頃から、できるだけ関わらないように距離を置くことが、もっとも建設的な方法です。

 

現代では、こういった人についての相談は非常に多く、どの会社でも耳にします。

一定数いるものなので、生きていればどこかで接する機会があるかもしれません。

もし遭遇したら、揉め事にならないようにすることが大切です。

おかしいとわかった段階で、冷静に対処していきたいものですね。

 

 

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