-COLUMN-

人の怒りに振りまわされていませんか? 負の感情を受けない対応法

日付:2024年11月10日

■怒りの感情は伝染する

 

まわりにイライラしている人がいると、

「あんな怒り方をしなくていいのに」と、つい気になってしまいませんか?

自分が直接怒りを受けていなくても、まわりにイライラしている人がいるだけで影響されてしまう人がいます。

 

怒っている人を見かけると

「あの怒り方は怖いな」

「なんでほんの此細なことにイライラするんだろう」

と感じることもあるものです。

また、公共の場でイライラしている人を目にすると「まわりの人が迷惑するのに…」と気をとられて、疲れてしまうこともあるでしょう。

 

「情動伝染」という言葉があります。

人の感情は伝染するという意味です。

 

怒りの感情だけでなく、喜びなどのポジティブな感情も周囲に伝染します。

でも、ポジティブな感情と比べて、ネガティブな感情のほうが伝染しやすいのです。

とくに怒りの感情は、自動的に周囲に伝播するとも言われています。

 

■怒りの伝染を防ごう

 

怒りの伝染力は大きなものです。

その威力を防ぐために、伝染する機会を断ち切り、影響を受けないところに自分の身を置くのは、ひとつの対応策になります。

とくに、自分が怒りをぶつけられている本人でない場合、余計な伝染を受けないよう対処することはできるでしょう。

 

人の怒りが気になると、

「なぜあんな怒り方をするのか」

と、ずっとそこに意識を向けてしまう人もいます。

怒りの伝染を断ち切るにはいくつかコツがあるので、練習をしていきましょう。

 

■物理的・意識的に距離をとるのも効果的

 

気になってイライラしてしまうことからは、まず物理的な距離をとることが得策です。

 

・自分と関係のない公共の場所であれば、そこから移動する

・職場でまわりの人や上司がイライラしはじめたら、席を立てるのであれば違うフロアに行く(トイレに行くなど)

・電車のなかであれば違う車両に移る

 

もし、その場を離れられない場合は、まったく違うことを考えて、思考を別空間に移動させるのもポイントです。

 

・外の景色を眺める

・飼っているペットのことを思い浮かべる

・夕食のメニューについて考える

・「週末に何をしようかな」と意識を別のところに飛ばす

 

こういったことを頭のなかで考えるようにしましょう。

 

それでも意識を変えることが難しいときは、その時間だけスマートフォンで好きなサイトを見るのもおすすめです。

他人の大きなため息や舌打ちなどは、かなりの破壊力があります。

大きな声にはイヤホンをつけて音楽を聴くなどして、まわりの人の声を聞かない、または見ないようにして遮断してみてください。

 

怒りは、気になれば気になるほど引っ張られるもの。

意識を切り離せる手段は、いくつか持っているといいでしょう。

 

不本意な負の感情に振りまわされず、自分を健全に保ちたいものですね。

 

 

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