日付:2024年09月20日
■まわりに状況を共有しよう
あなたのまわりに、攻撃的で他者に厳しいタイプの人はいませんか?
他者を見下す攻撃的な人は、さまざまな組織に一定数存在するようです。
こういったタイプのなかには、上司に対してだけ非常に低姿勢になる人もいます。
上司の顔色ばかりうかがっていて、自分と同等以下の人にはとても手厳しいのです。
さらに、自分のミスや失敗を認めない人もいます。
このタイプの人は、自分と能力が同等以下の人のできていないところの粗探しをするのも特徴です。
ほんの少しできていないと「そこまで言わなくても…」といった厳しいことを言います。
一方で、自分がミスをしたときには、
「今回のミスは◯◯だったので…」
などと言い訳をするのです。
この行動パターンをとる人の心理状態は、上司からどう思われているかを気にしています。
他者を見下す攻撃的な人に遭遇したら、まず、まわりと状況を共有しましょう。
そして、ひとりで対応しないようにすることがポイントです。
攻撃対象にされると、あまりの態度に精神的に参ってしまう人も出てきてしまいます。
■攻撃的な人には、できるだけ穏便に対応する
攻撃的なタイプの人は、だんだんと本当の実力が露呈し、周囲との関係もうまくいかなくなる傾向があります。
そのため、居づらくなって自分から組織を出ていくことも少なくありません。
出ていくときには、「自分は悪くない」とその場をひと通り荒らし、「自分を活用できなかった職場が悪い!」と砂をかけるような形で去っていくことも…。
「わたしは引継ぎはしない。わたしが辞めたあとで、この職場がぐちゃぐちゃになればいい」
とばかりに、後味の悪い辞め方をしたりもします。
「自分がいなくなると、その場がまわらなくなる」と不安をあおって出ていくこともあるでしょう。
また、表面的にわからなくても、裏で職場の人間関係を破壊しようと仕掛ける人もいます…。
問題のある当人が出ていくときには、穏便に送り出せることが大切です。
皆でできるだけ穏やかに対応しましょう。
こういったタイプの人には、あまりとらわれないほうがいいのです。
生産性を上げるためには、チーム全体が安心して働けるように、心理的安全性を保つことも欠かせません。
攻撃的な人がひとりいるだけで、多くの人が力を発揮する機会を奪われてしまいます。
その人がその場を去ると、職場の雰囲気が見違えるほどよくなることを感じられるでしょう。
■チームでの連携が不可欠
他者を見下す攻撃的な人について、悩みを相談されることも多々あります。
そんなとき、管理職の人が口をそろえて
「どうしてこんな人を雇ってしまったんだろう…」
「見る目がなかった…」
と言います。
ただ、このタイプは、一見感じのいい人が多いのも事実です。
さらに、名のある職場に勤めてきたキャリアのある場合も少なくないため、最初からは見抜けません。
頭がいいので人に取り入るのがうまく、どうしたらいいのかを計算して動くことができたりもします。
怖いことですが、じつは、こういった人は思っている以上にたくさん存在するのです。
経営者であれば、メンバーを守るために、組織を離れてもらうようアプローチすることができます。
ところが、一緒に働いている人たちは攻撃され、見下され続けるので、抱えるストレスも相当なものです。
そのため、チームで支え合わなければなりません。
それができなければ、立ち向かっていけないからです。
自分たちの精神的安定を守るためにも、支え合いが必要になります。
あなたがリーダーの立場のときには、いち早くチームを巻き込む動きが重要です。
リーダーでない場合には、できるだけ同僚や上層部に状況を訴え、ひとりで抱え込まないようにしましょう。
心ない人に組織を荒らされないためにも、チームで協力し合って取り組みたいものですね。
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