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部下からネガティブな報告を受けたらどうする? 上司に知ってほしい、アクティブ・リスニング活用術

日付:2024年05月20日

■ネガティブな報告でも、共有してくれたことに感謝する

 

あなたは、部下からネガティブな内容の報告を受けたとき、どのような対応をしていますか?

部下の立場からすると、マイナスになる報告はしづらいものです。

そのようなときに、上司の立場にあたる人が、部下が言ってくれたことに対して、

「情報共有をしてくれてありがとう」

と感謝しながら耳を傾けるだけで、空気が変わってきます。

 

部下がクレームのようなネガティブな内容の報告をしてきたとき、

「なんでそんなクレームを受けたんだ?」

「どうしてそんな失敗をしたんだ。ありえないだろう」

と怒ってしまったという話も少なくありません。

 

上司がそういった威圧的な反応をしていると、部下は怒られるのを避けるために、重要な報告を躊躇するようになります。

ひどいときには、隠蔽してしまうこともあるのです。

ネガティブな報告であったとしても、それを受けていち早く対処しなくては、問題がどんどん大きくなっていきます。

今後、同じトラブルやクレームを起こさないためにも、チームとしては解決策にいち早く取り組まなくてはいけません。

 

それにもかかわらず、情報を持っている部下に「こんなことを言ったら、怒られるかもしれない。責められるに違いない」とためらわれてしまったら、その代償は、結果的に上役側に返ってくることになります。

最悪の場合、組織の信用を落とすことにもつながるのです。

 

だからこそ、どんなにネガティブな内容の報告であっても、

「報告してくれてありがとう」

「言いにくいことを、勇気を持って共有してくれてありがとう」

と、感謝する姿勢で耳を傾けましょう。

■アクティブ・リスニングは、トラブルを最小限に人間関係を円滑にする

 

実際に、現場からは

「上司に怒られるのが怖くて、『お客様からクレームを受けた』といったネガティブな情報を報告できない。結局、閉塞感が漂うチームになってしまっている」

という相談が、業界を問わず寄せられます。

 

「怒られるから余計なことを言えない」という環境は、組織にとってマイナスにしかなりません。

いいことはもちろん、ネガティブなことこそ隠さずに報告し合える環境をつくっていくことが大切です。

 

そういったときにも、共感しながら相手の話を傾聴する「アクティブ・リスニング」を意識してみてください。

アクティブ・リスニングを習慣化すると、トラブルが最小限になり、心理的安全性の保たれた人間関係を築くことができるでしょう。

 

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