日付:2023年11月10日
■丁寧な相槌は、話し手に安心感を与える
話をするときに、相槌を意識したことはありますか?
自分が話をしているときに、相手が丁寧に相槌をしてくれて安心感を覚えたことは、誰にでも経験があるのではないでしょうか。
丁寧な相槌には、相手の話を促す効果があります。
話の内容に合わせて、「はい」「ええ」と言うだけでなく、相手の話の重要なポイントを復唱、確認して反応するといいでしょう。
たとえば、
「今度のプロジェクトのことで、新たな提案があるのですが…」
↓
「新たな提案ですね」
「先日、取引先の〇〇からクレームを受けたので、相談に乗ってほしいんです」
↓
「クレームの相談ね。いいですよ」
このように、キーワードを返すことで、話し手は「相手が間違いなく正確に聴いてくれている」と受け取り、安心して話を進めることができます。
また、相手の感情や心情が含まれている話のときは、気持ちに共感した相槌を意識することも大切です。
たとえば、
「最近、□□という困ったことがあって、数日間悩んでいるんですよ」
「それは、本当に困ったね。つらいね…」
「いいことがありました! 契約がとれて、結果が出ました」
「よかったね! それはうれしいよね」
というように、共感の相槌はもちろん、相手の話の内容に合った声の表現や表情のリアクションも、併せて意識しましょう。
相手の感情に寄り添った共感の相槌は、「この人は、わたしの気持ちをわかってくれている」と伝わりやすく、心の距離を近づける効果があります。
シーンに合わせられるように、相槌の引き出しも複数持っておけるといいですね。
そのほか、相手に聴いていることが伝わるように、
「そんなことがあったのですね」
「〇〇だから、こうなのですね」
と、受けとめる相槌や確認する相槌も、相手に安心感を与えます。
■「アクティブ・リスニング」を取り入れて、聴いている姿勢を伝えよう
好かれる相槌と反対に、嫌われる相槌もあります。
たとえば、
・急かされているような気持ちになる、小刻みな相槌
・興味がないと感じられるような、「ふーん。へー。あっ、そう」といった反応
・「はい、はい、はい」といった単調な相槌の繰り返し
そのほかにも、「そうっすね」「まじっすか」という言葉をたびたび繰り返されると、相手は「本当にわかっているのかな?」と不安になるものです。
また、「で?」という相槌も、言われた側は不快な気持ちになります。
できるだけ、使わないように気をつけましょう。
無意識に使っている場合が多いので、日々どのような相槌を打っているかを意識してみるのもおすすめです。
「アクティブ・リスニング」は聴き手が話を聴いているということが、話し手に伝わるように表現する聴き方のことです。
ぜひ、話し手が不快な気持ちにならないように、「アクティブ・リスニング」を取り入れてみませんか?
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