日付:2022年03月10日
■自分の基準=常識ではない
「わたしはできたのに、なぜこの人はできないのか」
という怒りは、管理職の人がよく抱きがちです。できない相手に対して、
「わたしが若かった頃にはできたのだから、同じようにできるのが当たり前だろう」
「これが普通だろう」
という思いがついわいてしまうということはないでしょうか。
これは、自分の基準=常識という価値観があり、その価値観を相手に押しつけてしまうところから起こります。
だからこそ、怒りがわいてくるのです。
人はそれぞれの能力も、得意とすることも違います。
能力が異なるということは、苦手とすることももちろん異なるということ。
だからこそ、どうしたらその人ができるようになるのかということに意識を向けて、行動したいですね。
そもそも、「なぜできないのだろう」と思っても、何も解決しませんし、相手との関係性に溝が生じてしまいます。
ではなぜ「わたしはできたのに、なぜこの人は…」と腹が立ってしまうのでしょうか?
それは、相手への期待値が高いからです。
期待がある分だけ、怒りもわいてしまうのです。まずは、そのことを知っておきましょう。
■自分の期待を押し付けない
じつは、こういった怒りを抱えている人は、できる人に多く見受けられます。自分ができる分だけ、「なぜわたしのまわりにいる部下は、バカばっかりなんだ! わたしならできたのに!」と、相手に求める基準も高くなってしまうわけです。
こうしたことが行き過ぎると、パワハラになりかねません。
思い当たるという場合は、「その怒りを持ち続けていても部下が成長するのだろうか」というところに立ち戻ってほしいのです。
■相手の能力を冷静に分析し、望ましい未来を共有する
もし「自分はできたのに…」と思ってしまう場面に遭遇したら、相手のキャリアや経験してきたこと、能力を洗い出してみてください。
ひと通り把握したうえで、
・その人にどうなってほしいのか
・どうしたら望んでいることをしてもらえるのか
ということも、書き出します。
実際に話すときには、「なぜできない」という点にフォーカスするのではなく、こうあってほしいというゴールの未来を共有しながら伝えます。
「まず、今後◯◯さんにはこういうことをできるようになってほしいと願っています。そうなるには、どんな取り組みをしたらいいかを話し合えたらと思っているんですよ」
と、伝えてみてはいかがでしょうか。
自分と比較してただ高い期待値を掲げるのではなく、小さな一歩一歩のスモールステップから取り組めるように、関わっていきましょう。