日付:2021年07月1日
■ダメ出しばかりは人間関係のトラブルのもと
「あの人のこういうところが、もっとこうだったらいいのに…」
「なんで◯◯さんは、こうしてくれないんだろう…」
「そもそもこんなこともできないなんて…」
つい無意識のうちに、人のできないところに目が向いてしまうこと、ありませんか?
職場の同僚や後輩、家族やパートナーなど、身近な人であればついひと言口を出したくなるシーンもあるかもしれません。
人間はもともと、できていないところに目が向きやすい傾向があるといいます。
とくに日本には、ダメ出しという言葉があるように、人のマイナス部分を探してしまいがちです。
その心理としては、
・自分自身を認めていないから、他人のいいところも認められない
・人のいいところを認めると、自分と比べて劣等感を感じてしまうので認められない
など、いろいろな説があります。
とはいえ、マイナス部分が目に入ることが悪いわけではありません。
自分では気づかなかったマイナス部分(課題)を見つけてもらい、それを克服しようと行動することで、物事が改善していく場合もあるからです。
ただ、他人のマイナス部分ばかりを見てしまうのは、人間関係のトラブルのもと。
「またミスして、◯◯さんミスが多すぎ…」
「まだ終わらないなんて、やることが遅いな…」
「言葉づかいがどうにかならないかな…」
など、一度目につくと、マイナス部分ばかりが次々気になってしまいます。
そのうえ、人のマイナス部分に対してダメ出しばかりしていると、相手が萎縮してしまったり、逆に聞く耳をもたずに反発してきたり、関係が悪化していくきっかけになってしまいます。
■子育ても同じこと
また、人間には、いいところもそうでないところも、人から注目された部分が強化されていくという特徴があります。
たとえば、あなたが「Aさんは計画性がないよね」とAさんに言ったとします。それを言われ続けたAさんは
「どうせわたしは計画性のない人間なんだ…」
と思い込み、その状態が根づいてしまうようになります。
一方で、相手のよい部分を積極的に見つけて
「Aさんはいろいろなことに興味を持っているね」
と伝えていると、その人のよい部分が伸びていくのです。
これは子育ても同じことですね。
「◯◯ちゃんはいつも落ち着きがないね」
「人見知りで消極的だよね」
「テストでいつもミスが多いね」
「◯◯ちゃんは、本当に何もできないんだから」
など、マイナスな部分ばかり指摘されていると、「ぼく(わたし)は、そういう子なんだ」と、どんどんマイナスな行動を起こしてしまいます。
あまりに言われ続けると、人格形成にまで影響するのです。
「あんたなんか産まなきゃよかった」
「あなたさえいなければ…」
など、その人自身の存在価値を否定するような言葉を投げかけられて育った子が、非行に走ってしまうというケースは少なからずあります。
言葉は、ときに凶器になります。
とくに子どもにとって親の言葉は、想像以上に大きな影響を及ぼします。
凶器となった言葉が、心に刺さってしまう危険性をはらんでいるということを忘れずにいたいですね。
■マイナスをプラスに変換する
ここで、人のマイナスなことばかりを口にしている自分を想像してみてください。
いい気持ちはしないのではないでしょうか?
「ここはできている」
「ここは素晴らしいところ」
と、ダメ出しではなくヨイ出しのクセをつけていくほうがよほど建設的です。
そして、相手のマイナス部分が目に入ったら、そのマイナス部分をプラスの見方に変えることをおすすめします。
例
仕事が遅い→丁寧に仕事をしている
神経質→細やか
せっかち→行動が早い
気が弱い→慎重
かたくるしい→真面目
しつこい→粘り強い
短所は最大の長所とも言います。
これを続けていると、おおらかな気持ちで人と接することができるようになり、次第に相手のマイナス部分も気にならなくなっていくはずです。
ぜひ実践してみてくださいね。