-COLUMN-

相手の悩みを聴くときに意識したい「アクティブ・リスニング」

日付:2023年10月10日

■悩みのサインに気づこう

 

あなたは、相手の話を「聴く」ことに、意識を向けていますか?

仕事では、いつも相手の話を丁寧に聴ける状況ばかりではありません。

 

たとえば、仕事で悩んでいる部下が「話を聴いてほしい」というサインを出していたとしましょう。

ところが、そのサインに気づかなかった場合、部下が突然退職願を出してくることや、メンタルの不調を訴えてくることがあります。

 

そうなってから、

「あのとき、なぜ気づいてあげられなかったのだろう…」

「どうして相談を聴いてあげられなかったのだろう…」

と後悔する上司も少なくありません。

 

でも、日頃から相手の話を積極的に傾聴するアクティブ・リスニングを意識していくと、自然と相手の様子に気づけるようになるはずです。

 

上司と部下との間で、

上司「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」

部下「言えるような状況ではなかったから、話しづらくて…」

といったすれ違いが起こらないようにしていきたいものです。

 

■「聴く力」を磨くと「話す力」も向上する

 

人の話を聴いていて、話の整理ができない人は、自分の話の整理もできないものです。

仕事では、「この人はこういうことを言いたいのだな」と頭のなかで整理しながら聴き、第三者に報告すること、情報を共有することが必要になります。

 

人の話を要約して伝えるにも、「聴く力」が必要です。

報告が苦手な人は、自分の話を整理して話すことも不得手という傾向があります。

「プレゼンテーションがうまくなるように、話し方を鍛えたいのです」

「ロジカルに話せるようになりたいです」

といった相談を受けることも多々ありますが、話すことだけに注力するのではなく、話すことと同時に、誰かの話を一生懸命に集中して聴く力が不可欠なのです。

 

相手の言いたいことを整理しながら聴いて理解し、頭のなかで組み立て直し、要約する…という「聴く力」も磨いていきましょう。

 

■聴く力を磨けば、相手の悩みを受けとめられるようになる

 

人の話を整理して理解するプロセスと、自分の話を整理するプロセスは、同じ能力を使っています。

そのため、聴く力を磨くことで、相手の悩みをフォローする力も向上していくわけです。

 

人は、誰でも「自分の話を聴いてほしい」と思うものですし、悩みを持っていればなおさら耳を傾けてほしいと思うでしょう。

 

相手の悩みが深刻化する前に、ときに質問をしながら話を引き出し、共感しながら受けとめ、相手の悩みに耳を傾けることができるように、アクティブ・リスニングを取り入れていけるといいですね。

 


 
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