-COLUMN-

相手に負担がかかることを依頼するときに、配慮すべきこと

日付:2023年07月20日

■非主張的なタイプには、相手が意見を言いやすく伝える

 

自分を抑えて相手を立てる「非主張的なタイプ」の人に、負担がかかることを依頼するときは、

「お願いしたいことがあります。もしかしたら、◯◯さんに負担がかかることが考えられるから、ここまではできる、ここからは無理そうだと思うことを聞かせてもらえませんか」

といった伝え方をしましょう。

 

非主張的な人は、たとえ受けるのが難しいときでも「NO」と言いにくい人が多いのです。

ですから、相手が意見を言いやすいように、

「ここまではできる。ここから先は相談が必要。負担が大きいかなと思うことを聞かせてほしい」

と投げかけをするといいでしょう。

 

そうすると、相手も

「ここまではできそうですが、ここからは相談が必要で、負担だと感じています」

と返しやすくなります。

 

このタイプには

「聞かせてくれないかな?」

という姿勢でいることが欠かせません。

すり合わせをしながら、これができる、これができないということを明確にしていきましょう。


 

■話すときは相手のペースに合わせよう

 

せっかちで、相手の言葉を待てない人は、すぐに言葉を荒げてしまいがちです。

このタイプの人と対峙するときには、端的に伝える工夫をしましょう。

相手が非主張的な表現をする傾向がある場合、相手よりもこちらの話すペースが速かったり、語調が強かったりすると、相手を焦らせてしまうことも…。

 

相手が話せる間もつくりつつ、相手の話すペースに合わせ、語調も優しく、声も大きくなりすぎないように心がけましょう。

 

とくに役職についている人の場合、発言にポジションパワーが加わります。

相手にプレッシャーを与えてしまうことも考えられるため、より配慮が必要です。

 

研修でロールプレイング実習をすると、無意識に出ているクセがわかります。

たとえば、次のようなクセは管理職の人たちによく見受けられます。

・いきなり腕組みをする

・眉間にシワが寄っていて顔が怖い

これらは、威圧感を与えるので控えましょう。

 

・理詰めになってしまう

・相手の話を遮り、かぶせる

・「なんで? なんで?」と繰り返す

これらは、攻撃的な態度にあたるコミュニケーションの表現です。

もし心当たりがあるなら、改善することをおすすめします。

 

非主張的な人はもともと、「NO」と言いにくい人が多いので、言いにくいことを伝えるときは、より伝える内容や態度などにも気を配りたいものです。


 

■非主張的な表現をしがちな人が意見を言うとき

 

反対に、非主張的な表現をしがちな人が意見を言うときに、気をつけたいことを解説しましょう。

 

非主張的な表現をしがちな人は、遠回しに言ったり、長文でまわりくどくなったりして、相手に意味が伝わらないということが多々あります。

何度も確認し直さなくてはならない分、聞き手はだんだんイライラして話を遮ることもあるかもしれません。

そうなると、焦ってしどろもどろになり、余計に言いたいことが伝わらなくなる人もいます。

 

また、何度も話を繰り返してうまく言えないときに、笑ってごまかそうとする人もいますが、相手にはヘラヘラして見える分、余計に苛立たせてしまうのです。

このようなことを回避するには、次のことを意識して取り組むことで改善されるので、日頃から実践してみませんか?

 

自分が非主張的タイプだと自覚があるときに、心がけるようにしたほうがいいことは、次の3点です。

 

・大事なことを話さなくてはいけないとき、事前の準備をする(書き出す、言い慣れる練習)

・要点を整理して、短い文章で話す練習をする

・話すときは、冗長にならず、簡潔に伝えられるように練習する

 

こういったことを積み重ねていくと、おどおどして言葉が出てこない、ごまかし笑いをする、噛んでしまうということも少なくなっていきます。

 

ロールプレイング実習で、非主張的タイプの人を見ていると、最後の語尾の「です」「ます」まで言わず、「◯◯で□□なので…」とまわりくどく話が長く続いてしまうことも多いので気をつけましょう。

 

相手に言いにくいことを伝えるときには、相手のタイプや自分の特徴を把握して、お互いにアサーティブな伝え方ができるといいですね。


 

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