日付:2020年04月28日
■レッテル貼りが事実をくもらせる
あなたは人を思い込みで判断してしまうことがありませんか?
思い込みとは、自分のいままでの経験から、物事を決めつけてしまうこと。
たとえば、「B型の人はわがままだ」と言っている人は、その人がいままでに出会ってきた人のなかに、そう感じられる人が複数いたことが基準になっています。
そして、たとえば自分の我を押し通している人を見ると、「あの人もB型かも」と、
無意識のうちに似たような人を、思い込みで判断してしまうのです。
誰にでもひとつやふたつ、自分の経験に基づく思い込みをしているもの。
人の数だけさまざまな価値観があるということですね。
無意識の思い込みをアンコンシャス・バイアスとも言いますし、
アドラー心理学では、主観的でゆがんだものの見方をしてしまうことを、
ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)と言います。
■主観的でゆがんだ見方が子どもの心に影響する
何かうまくいかないことがあると、「次も失敗してしまうかもしれない」
「どうせわたしはダメな人間だ」とほかのことまでネガティブに思ってしまうことってありますよね。
また、「みんなわたしのことが嫌いなんだ」「いつもわたしばかりが嫌な思いをする」など、誇張したり、「あの人はわたしを見下している」「彼は女性をバカにしている」と、
決めつけてしまうこともあるのではないでしょうか。
こういったゆがんでいるものの見方のことを総称して、ベイシック・ミステイクスと言うのです。
わたし自身、息子が3月生まれということで、小さい頃は、「まわりの子たちよりも
成長が遅いのは仕方がない」と思い込んでいました。
たとえ何かできないことがあっても、「やっぱり3月生まれだから仕方がないよね」
と自分にも息子にも言い聞かせるようにつぶやいていたものです。
でも、いま思い返せば、子どもの心をくじくような発言だったかもしれないと、反省しています。
このように、親であれば、子どもに対して少なからず主観的でゆがんだ見方をしてしまうことがあります。
「この子は何をやっても遅い…」「言ったことの半分もできない…」と決めつけた接し方ばかりしていると、
「僕(わたし)はダメな子なんだ…」と自己肯定感が低く、自信のない子に育ってしまいます。
■自分の思い込みのフィルターを疑ってみよう
わたしたちは、いままでの経験をもとに、何か目の前で起こった出来事に対し、
共通点を見つけては、自分のフィルターを通して「すべてがそうなのだ!」
と判断してしまいがちです。
「この人はどうせこういう人だから…」と、すべてを相手のせいにしたり、「どうせこうだから、もういいか」と、
諦めるように自分に言い聞かせて、相手と深く関わらない選択してしまいます。
つまり、自分の思い込みのフィルターを通して物事を見ることは、
相手のネガティブな面ばかり見てしまうという危険性があるのです。
人には魅力的で素敵な面がいくつもあります。
自分自身のゆがんだフィルターのせいで、せっかくの相手のいいところを見落としてしまうことになりかねません。
それでは、あまりにも残念ですよね。
じつは、こういった傾向は、人への警戒心が強い人ほど、多く見受けられます。
自分の思い込みのフィルターが強ければ強いほど、コミュニケーションを
苦手に感じる人が増えてしまうのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
「こういう人は◯◯だ」と相手のことを決めつけるような思いが湧いてきたら、
「それは本当?」と自分自身に問いかけてみましょう。
「この人は◯◯だ!」という思い込みのフィルターで見るのではなく、
本当にそうなのかなと、自分自身に投げかけてみるのです。
「自分のフィルターを見直す」ということを繰り返していると、
気づいていなかったよい事実が見えてくるかもしれませんよ。