-COLUMN-

怒りの悪循環に巻き込まれないための対応法

日付:2022年06月10日

■社会問題になりつつあるカスハラの悪影響

 

昨今、「悪質なクレームで過度な謝罪を求めてくるお客さまへの対応に困っている」という声をよく耳にするようになりました。

このような悪質なクレームのことを「カスタマーハラスメント(カスハラ)」といいます。

威嚇的な態度をとられたり、人格を否定するような暴言まで吐かれたりしたとき、怒りや恐怖を覚えることも少なくありません。

 

自分がお店側の立場である以上、その場をおさめるためには穏便に対応しなければならないでしょう。

「どうして私がこんなことを言われなくてはならないのか」「理不尽だ」「悔しい」という思いが込み上げてきてしまうのもよくわかります。「相手の態度がショックで接客するのが怖くなってしまう」という人がいるのも現状です。

カスハラはいまや、社会問題になりつつあります。

 

ひどい態度をとる人は、いろいろなところで同じようなことをしている可能性が高く、残念ながらカスハラを完全になくすことは難しいでしょう。

また、誰が対応しても防げなかったであろうケースも多々あります。ですから、負の気持ちに引っ張られないようにしたいものですね。

ここで避けたいのは、カスハラを受けたことで、頭の中でクレーマーへの怒りが反芻されて、寝つきが悪くなったり、睡眠の質や目覚めも悪くなり、寝不足でイライラしがちになるという悪循環に陥ってしまうことです。

 

■寝る前に心地よく過ごすためのポイント

 

寝る前に昼間の出来事を思い出して怒りがわいてしまうときには、そのイライラにフォーカスしないように意識を逸らすことが大切です。

たとえば、あなたが接客するお客さまの中には、感謝を伝えてくれる人もいるはずです。言われてうれしかったことや、うまく接客ができた自分の姿を思い浮かべてみましょう。

とはいえ、怒りを思い出したタイミングで突然いいことを思い浮かべるのは難しいもの。まずは日頃からうれしかったこと、よかったことを書き出しておくといいですね。

そして何かあったときに、書き出したことを思い出すようにしてください。

 

イライラしているときは、自律神経の交感神経が優位になっているので、身体はアクセルを踏んでいるような状態です。夜ぐっすり眠るためには、ブレーキになる副交感神経を優位にする必要があります。そのために、まず心と身体をリラックスさせてあげましょう。

 

自律神経研究の第一人者でいらっしゃる順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、自律神経を整える方法として、次のようなことを推奨しています。

 

・深呼吸する(6秒吐いて3秒吸う。これを1分間〜3分間続ける)

・うれしいことを思い出す

 

ぜひ習慣化して、寝る前に心地よく過ごせるよう取り入れてみてくださいね。

 

 

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