-COLUMN-

役職に就いてから感情を出せなくなってしまった…どう向き合えばいい?

日付:2022年06月1日

■「役職者は感情を出さないもの」という思い込みをはずそう

 

「役職に就いてから、感情が出せなくなってしまった」という話を耳にすることがあります。

伝統ある大企業では、「役職者はむやみに感情をあらわにするものではない」と教えられていることもあるようです。

 

「うれしい」「ありがとう」といったプラスの感情でさえ、

「感情の波を見せてはいけない」

「ポーカーフェイスでなくてはいけない」

という思い込みを持っている人もいます。

 

こういった思い込みの影響で、

「うれしくても『ありがとう』と言えない」

「嫌な顔ができなくなってしまった」

という相談を受けることがあります。

 

もちろん怒りを出しすぎるのは、避けたほうがいいでしょう。

ただ、笑いや喜びといった、怒る以外の感情まで表現できなくなると、だんだん苦しくなってきてしまいます。

感情表現ができないということは、自分の感情を押さえつけているということ。

この状態は、じつは想像以上にストレスのかかることなのです。

感情を自然に出せるよう、思い込みをはずしていきましょう。


 

■うれしいことから素直にリアクションしてみる

 

ある50代の管理職の方は、部下の女性から「プロジェクト成功おめでとうございます」と声をかけられ「ありがとう」と、ひと言笑顔で喜びのリアクションを返したら、その部下も笑顔になったと話してくださいました。

このようなことからはじめてみるといいですね。

 

もし無意識のうちに仏頂面になっていることがあるようなら、自宅の鏡の前で表情の練習をしてみるのもおすすめです。

誰も見ていないときに、鏡の前で「おはよう」「お疲れ様です」と、笑顔で挨拶してみてください。


 

■感情を言葉にする練習をしよう

 

感情を言葉にする習慣を持つのも効果的です。

「困った」「これはうれしいな」「戸惑っちゃったな」「これは気にかかって心配だ」「おもしろいよね」「これ好きだな」と、自分の感情を実況中継する練習をしていると、とっさのときにも言葉が出やすくなります。

 

趣味の話や飼っているペットのことなど、「こういうものが好き」「昔こうだった」と自分のプライベートの話をして自己開示してみると、一気に親近感がわいて、まわりも関わりたくなるものです。

ぜひトライしてみてくださいね。


 
 

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