-COLUMN-

劣等感は成長のための原動力になる

日付:2020年02月27日

■劣等感は成長意欲の証

「劣等感」という言葉に、いいイメージを持っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
ところが、アドラー心理学の理論では、「劣等感は健全な成長の刺激」と言われています。つまり、決して悪いものではないのです。

「◯◯さんは、仕事の結果が認められて昇進したんだ。うらやましいな」
「◯◯さんは、語学が堪能でITリテラシーも高くてすごいなぁ」
「◯◯さんは、スタイルがよくていいなぁ」
というふうに、「あの人と比べると、わたしは△△ができていない」
「□□が足りていない」と、つい相手に対して劣等感を抱くことはありませんか?

一方、自分に対して劣等感を抱く場合もあります。たとえば、
「わたしは何をやっても長続きしないなぁ」
「これだけがんばったのに、思うように成果が出ないな」
と、思ってしまうことはないでしょうか?
これは、「こうありたい」という理想の自分と、できていない現状とを比べてマイナスにとらえている状態です。

このように、人や自分に対して負の感情を抱くと、自己嫌悪に陥ってしまうこともあるはずです。
でも、劣等感の根底には、「こうありたい」という理想があります。
ひと言で言えば、成長意欲があるという証拠。ですから、決して悪いことではないのです。

 

■「こうありたい自分」に目を向けよう

では、劣等感はどうすれば解消できるのでしょうか?
それには、
「理想の自分に近づくために、どうしたらいい?」
「どうしたら、あの人のあの部分に近づける?」
というふうに、ありたい自分や理想とする人に焦点をあてて、行動することです。

ところが、「なんであの人ばかり…」という思いから、悪口を言ったり、足を引っ張るような行動をしてしまう人、「どうせわたしのことなんて誰も認めてくれない」と卑屈になって、周囲を困らせてしまう人がいます。

自分を大きく見せようとしたり、部下や後輩をコントロールするような行動をとって、まわりをうんざりさせてしまう人も少なくありません。
こうなってしまうと、いつまでも問題は解消することはないでしょう。

 

■劣等感をがんばる力に変えていこう

とくに「自分のことを認めてほしい」という承認欲求の気持ちが強くなり過ぎたときは要注意。
劣等感を補うために、間違ったがんばり方をしてしまいがちだからです。

そうなりそうなときには、一度立ち止まって、
「いま置かれている環境で、自分は何を求められているのか」
を、客観的に振り返ってみましょう。
もし気持ちが不安定な状態に陥ったときは、
「わたしが求められているのはどんなこと?」
「どんなふうに動いたらいい?」
と信頼できる人に聞いてみるのもいいですね。

劣等感は、上手に扱えた者勝ちです。
毛嫌いしたり、 がんばる方向を間違えたりせず、ぜひ成長の原動力として活かしていきましょう。