-COLUMN-

傾聴力を徹底的に磨ける「アクティブリスニング」術

日付:2024年03月1日

■自分の振る舞い次第で相手の反応が変わる

 

普段、自分がどれだけ人の話を聴くことができているか、意識してみたことはありますか?

 

アンガーマネジメントのトレーニングのひとつに、「24 時間アクトカーム」という手法があります。

アクトは「行動」、カームは「穏やかに」という意味で、「24時間穏やかに行動する」という取り組みです。

行うことはシンプルで、24時間徹底して穏やかに振る舞うことを意識して過ごします。

何があっても、心のなかにどんな感情が芽生えても、怒ることなく穏やかな行動をするのです。

 

試した人たちからは、次のような声が届いています。

「自分が穏やかに振る舞うことで、話しかけてくる人も穏やかな表情になったり、いつもよりもたくさん話をしたり、ときには職場のメンバーから『今日は何かいいことでもあったんですか?』と言われることもありました」

「自分の振る舞いを変えるだけで、これほど相手の反応が変化するなんて…、普段どれだけ自分が不機嫌な表情でイライラしていたのかを自覚できました」

 

日頃から「話しかけやすい」「聴いてもらえそう」と思ってもらえるような態度でいるかどうかを、振り返ってみるのもいいですね。

ぜひ一日意識して、違いを感じてみましょう。


 

■無意識の言動を意識しよう

 

「24時間アクトカーム」を、「一日聴く」と置き換えて実施してみるのもおすすめです。

わたしも、一日相手の話を聴くことに徹底して意識するよう、試してみたことがあります。

すると、話の長い人に対して、

「つまり、こういうことだよね?」

と言いたくなったり、以前と同じ話をされたときに、

「あ、あの話ね」

と口を挟みたくなったりする自分に気づきました。

 

さらに、自分が興味を持っている話に対して、「そうそう。わたしもね……」と自分の話をしてしまいそうになったのです。

このように、自分が普段無意識にしていることについては、気をつけないかぎり見過ごしてしまいます。

 

「なんだか、コミュニケーションをうまくとることができないな…」

「この人のことをもっと知ってみたい」

などと感じたときにも、相手の話を聴くことに徹底してみることは有効です。

 

あなたも、

「今日は相手の話を徹底的に聴く!」

と宣言して取り組んでみませんか?

そうすることで、思った以上に人の話を聴けていない自分に気づけるかもしれません。

人の行動改善は、気づくことから始まるのです。

そこからぐっと、相手との信頼関係を深めることができますよ。

 

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