-COLUMN-

伝わるプレゼンテーションは、ここが違う

日付:2021年08月10日

■冒頭で全体像を伝えよう

 

コロナをきっかけに、わたしたちの働き方は大きく変わりました。

取引先との打ち合わせや社内ミーティング、企画会議やプレゼンテーションもオンラインで行っているところも少なくないでしょう。

 

打ち合わせやミーティングとは違って、人前で話をするときには、リアルでもオンラインでも、伝え方がより重要になります。

そこで、わたしが人前で話をする際に気をつけている「話の流れ」や「話し方のポイント」をお伝えします。

 

伝え方は、少し意識するだけで大きく変わるのですが、プレゼンの際にまず意識してほしいのは、冒頭で全体像を示すことです。

 

たとえば、クレーム対応について話をするときは、次のように説明します。

「本日は、問題解決に向けたクレーム対応についてお話しします(テーマについて)。

まず、本日の話の流れについて、ご説明しましょう。

・最初に、クレームに対しての考え方

・2番めにクレーム対応の基本ステップとポイントについて

・3番めは、クレームを言うお客さまの心理

・4番めに事例紹介

・最後に、同じクレームを繰り返さないためのポイント

以上、この流れで、話を進めてまいります」

 

冒頭で、どんなテーマについて、どんな順番で話すのかを伝えておくことで、聴き手は「目的」と「流れ」を把握し、頭の中で整理することができます。

また、全体像を示すことで、内容の理解もしてもらいやすくなります。

 

可能なら、口頭だけでなく、資料やスライドで流れの図を1枚用意しておきましょう。

視覚的にも目にとまり、よりわかりやすくなるのでおすすめです。

 

■台本を読み上げるのはNG。キーワードをメモしておこう

 

プレゼンの際、事前に入念な準備をして台本を書きあげ、そのとおりに読みあげたり、台本をそのまま暗記して話そうとする人がいます。

これはおすすめできません。

 

なぜなら、話す目的が「間違えないで読むこと」になってしまい、「相手に伝わるように話す」という本来の目的が置き去りになってしまいやすいからです。

これでは、どんなに準備をしても、相手にはあなたの熱意が伝わらずに終わってしまうかもしれません。

 

相手に伝わるように話すには、台本をそのまま読むのではなく、話す内容の要素だけをメモにとどめることです。

話したい内容のキーワードだけをピックアップして、話す順番になるようにメモしておきましょう。

そして、そのキーワードを見るだけで話せるように何度もリハーサルを行うのです。

 

メモを見るだけで話せるようになっておくと、要点を押さえることができているという証拠であり、自分の言葉で伝えることができます。

人前で話をする機会があるときには、ぜひキーワードを書いたメモだけで話すことができるように準備しましょう。

 

■相手を飽きさせない、抑揚のある話し方をする

 

もしあなたが完璧な内容の資料を用意し、万全の状態でプレゼンに臨んだとしても、相手に伝わる話し方をしなければ、聴き手は1分もせずに飽きてしまうかもしれません。

 

たとえば、抑揚もなくずっと同じペースで話す人がいたとします。

そうなってしまうと、どんなに内容自体が素晴らしいものでも、聴き手が興味を示す前に眠気のほうが勝って、内容が頭に入ってこないということも…。

単調な話は、大切なポイントをわかりにくくさせ、聞き手の理解力を半減させてしまうのです。

 

人前で話をする際には、言葉にメリハリをつけましょう。

たとえば、強調したいときには、

・あえてゆっくり話す

・同じフレーズを繰り返す

・大きな声を発する

こういったことが効果的です。

 

また重要なポイントを伝えたいときには、ポイントを話す前に間を置いてみたり、

「◯◯についてご存じですか?」

と呼びかけたり

「いまから大切なポイントをお伝えします」

とはじめに伝える、といったことが有効です。

このように、メリハリのつけ方にもいろいろと種類があるのです。

 

自分でやってみて「取り入れにくいな」と思う方法では、話し方も不自然になってしまうので、いくつか試してみて「これなら言いやすい!」というものから導入してみるのがおすすめです。

2〜3個を組み合わせると、リズムよくメリハリがついていいですよ。

 

目的はあくまでも相手に伝わるように話すこと。

慣れないときは難しく感じても、回数を重ねるごとにポイントがつかめてくるはずです。

いろいろと試しながら、相手に伝わる話し方を習得していきたいですね。

 

 

 

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