日付:2021年06月20日
■人間関係のトラブル、問題はいつの時代もなくならない
オンライン化が進み、コミュニケーションの形態が変わってきたとはいえ、フィーリングの合う、合わないはあるものです。
「この人は苦手だなぁ…」「話すのもめんどくさい…」と感じてしまう人があなたのまわりにもいませんか。
「苦手な人」とは、簡単に言えば、自分の思い通りにならない人や、自分とは価値観が合わないと思う人のことです。もっとはっきり言ってしまえば、嫌いな人のこと。
ですから、「苦手な人」は人によって異なります。
たとえばAさんと話をするのが苦手だなと感じていても、ほかの人にとっては「Aさんは話しやすい人」と違う印象をもっていることもあるのです。
職場でも、ある上司のもとでは部下が伸びなかったのに、部署を異動して違う上司になったら、イキイキと仕事をして、結果を出すようになったという事例があります。
■自分が苦手と判断している
では、なぜこんなことが起こるのでしょうか。
「あの人は苦手だ」と認識するときに、「クセのある性格だから」「面倒な性格だから」と、つい相手に問題があるかのように言ってしまいます。
ところが、実際は相手が問題なのではなく、「苦手だ」と感じている自分の問題なのです。
アドラー心理学の認知論の考え方では、人は自分特有の心のメガネをかけて相手を見ているため、自分の主観で「苦手」と判断しているだけで、相手に問題があるわけではありません。
それぞれが自分特有の主観のメガネをかけているわけですから、苦手な人とそうでない人が人によって異なるのも当然のことです。
■羨ましい気持ちも苦手をつくりだしている
また、自分にないものをもっている相手に対して、苦手意識を抱いてしまうケースもよくあることです。たとえば言いたいことをズバリ言う人や、男性に対して「ねえ、お願い♪」とかわいく甘えてぶりっ子をする女性。
「部長! やはり一流は違いますね!」など、どんな上司にも調子よく取り入る男性、積極的にまわりとコミュニケーションを取り、仕事で成果を上げていく人…
こういう場面を見ると、「わたしにはできないなぁ…」「あんなことをするなんて…」と思う一方で、「あんなふうに上手に振る舞えたらいいのに」と羨ましく思う気持ちもあるでしょう。この心理状況が「この人は苦手」という印象になっていくのです。
自分にとって好きな相手ではない場合や、自分にないものをもっている羨ましさなど、背景にある理由はさまざまですが、苦手という気持ち自身は、結局は自分がつくり出しているのです。
ですから、苦手な人がいる場合、どんなタイプの人を苦手と思っているのかまずは紙に書き出してみるのをおすすめします。そして、自分は人と接するときに、人のどこを見ているのか、パターンを知ることが大切です。
また、それがわかれば、自分と相手との違いを探すのもやめたいですね。
自分の心のメガネを外せたら、人間関係がより楽になるはずです。ぜひ試してみてくださいね。