日付:2022年09月10日
■1on1ではアサーティブ・コミュニケーションが求められる
上司と部下とのコミュニケーションの場面で、1on1ミーティングを導入する組織も多くなってきました。
そのため、1on1にも、アサーティブの考え方とスキルが求められています。
マンツーマンで話をするときには、上司が部下の本音を引き出し、悩みや課題に感じていることを共有してもらったうえで、アドバイスをする場面が多いでしょう。
そうすると、どうしても上下関係が関わってくるため、上司が上から目線でアドバイスをしてしまったり、持論を語ってしまったりすることがあります。
こうなると、せっかく話し合いの機会を設けても、部下が過度に遠慮して、
「伝えたいことをうまく言えなかった…」
ということになってしまいがちです。
こういったそもそもの1on1の目的から外れた現象が、現場でも起きています。
上司と部下でありながらも、お互いに伝えたいことを対等な目線で伝え合うことができる「アサーティブ・コミュニケーション」の技術は、上司の立場のみならず、部下の立場でも、いま、必要とされているスキルです。
■心の距離を近づけるコミュニケーションのコツ
リモートワークが主流になってから、チャット機能やメールを使って、報告、連絡の情報のみを共有している企業も多くみられるようになりました。
ただ、これではコミュニケーションは不十分でしょう。
なぜなら、日常で誰かと関係性を築くとき、相手がいまどんな気持ちでいるかということを想像し、ポジティブなこともネガティブなことも率直に共有することが、心の距離を近づけることになるからです。
本来、職場では
「いまはこの仕事を抱えていて、どうしたらいいのか困っている」
「取引先から◯◯と言われて心配している」
「いま、体調を崩していて、とても疲れている」
と感じていることはもちろん、
「こういうことを大切にしている」
といった価値観に関わることも、対話していくなかで、すり合わせることが重要です。
コミュニケーションツールにオンラインや、チャット、メールが多く使われるようになり、報告・連絡などの情報共有のみでは心の距離を縮める機会が少なくなってしまっています。
実際に組織の研修を担当する際、リモートワークになってからは、
「『こんなことを言われて嬉しかった』『お客様にこう言われてラッキーだと思った』『これが心配で…』といった、ちょっとしたことを共有できたらいいのだけれど、どう言っていいのかわからない…」
という相談が増加しているという状況です。
そのほか、孤立感や寂しさを感じてしまっているという声も耳にします。
些細なことでも、感じたことを率直に伝え合うということは、リモートワークが進む時代だからこそ、必要なのかもしれません。
心のつながりを大切に、意識して対話していきたいものですね。