日付:2022年08月1日
■最初の謝罪ができないと、クレームは大きくなる
クレーム対応の際に、「お客様を余計に怒らせてしまった…」と悩んだ経験はありませんか?
クレームを言うとき、顧客側は応対する人に対して、
「あなたの会社の製品やサービスに問題があった」
「あなたは、この組織の人間でしょ」
という気持ちを抱きながら、会社の代表としての対応を求めています。
そのクレームに対して、担当者がきちんと謝罪ができなければ、お客様の怒りはおさまりません。
クレームを言われたときに謝らない担当者の多くは、心のなかで
「わたしの失敗ではない」
「わたしの責任ではない」
と思っていたりします。
そのため、
「担当者から他人事のような対応をされた」
「誠意が伝わってこない」
と二次クレームになり、揉め事がさらに大きくなってしまうのです。
わたしのもとにも、クレーム対応の相談が数多く寄せられます。
実際に、お客様との関係が大きくこじれてしまったケースとなると、責任者の謝罪では足りず、最終的に役員が対応することになるということも少なくありません。
クレームが大きくなってしまうときには、次のことをしてしまいがちです。
・他人事のような対応
・謝らないままに対応策を提案
・その場をやり過ごすために謝り倒すだけで、何がいけなかったのか、どうすればよかったのかを汲みとったお詫びの姿勢を見せられていない
このような対応は、火に油を注いでしまうので、絶対に避けましょう。
■謝意は真摯に伝えよう
クレームを受けたときには、まず相手の怒りに振りまわされずに適切な対応をしたいものです。
面と向かっているタイミングであれば、頭を下げて表情や声でも謝罪の気持ちを伝えます。
電話の場合は、「このたびは申し訳ありませんでした」と気持ちを込めて謝りましょう。
このとき、何について謝っているのかを明確にしておいてください。
そして、謝罪をしたあとに、今後の提案をします。
■お客様の怒りをしずめるには傾聴から
謝るときは
「わたくしが対応いたしますので、恐れ入りますが詳しく状況をお聞かせいただけますか」
と、相手の話をヒアリングすることも欠かさないようにしましょう。
そして、お客様が「気持ち」を話しているときには、
「そうですよね。そんなことをされたら不快な思いになりますよね」
「いつ対応してもらえるのかとご心配になりますよね」
と、お客様の気持ちに共感しながら事実を確認します。
相手の話をしっかり聴くことで、お客様に落ち着いていただくこともできます。
そのうえで、改めて「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪するのです。
それから、
「わたくしどもとしましては、このようにしていこうと思っておりますが、いかがでしょうか。具体的には…」
と今後についての提案をします。
最初に相手の気持ちをしずめる謝り方ができるかどうかは、クレームの初期対応時ではもっとも重要なことです。
まず真っ先に
「このようなことでご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
と謝罪できていないと、お客様がもともと怒っていた原因よりも、
「あなた、反省していないよね!」
「悪いと思ってないよね!」
と、さらなる怒りを生んでしまうことになります。
何について謝っているのか、しっかり伝わるように謝罪をしましょう。
クレーム対応は、最初が肝心、傾聴が不可欠です。