-COLUMN-

うまくいく人は、「目的志向」で生きている

日付:2020年03月30日

■苦手意識は自分次第で変えられる

「人前で極度に緊張してしまい、プレゼンで大失敗…」
「チームワークで乗り越えなくてはいけない場面で、メンバーとのトラブルが続出…」

過去に起こったある出来事が原因で、「苦手だなぁ…」「もうムリだ…」「自分にはできない…」と引きずってしまった経験はありませんか?
また、一度苦手意識を持ってしまうと、克服するのは難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。でも、この過去の出来事からくる苦手意識は、自分次第で変えることができます。じつは、過去の出来事をどう受けとめるかは自分の心持ちひとつで変えられるのです。

たとえば、あるひとつの出来事に対して、
「あんなことさえなければ、自分はもっとうまくいっていたのに…」
と考える人もいれば、
「あの出来事のおかげで、いま自分はがんばれている」
「どうすればもっとうまくいくだろう」
と、未来につながる前向きな考え方をする人もいます。

ただ、ほとんどの人は、苦手意識のあることには、積極的に取り組もうとはしないものです。そうすると、次第に「できるわけがない」「どうせわたしにはムリ」と、行動する前からいろいろなことをあきらめるようになってしまいます。それでは、あまりにも悲しいですよね…。

 

■よかった点を探してみよう

きっと誰にでもひとつやふたつ、苦手に思っていることがあるでしょう。
でも、それを「どのような視点でとらえているか」が大切なのです。

苦手なことへの気持ちを克服するには、視点を変えること。
まずは、過去に起こったマイナスのことばかりに意識を向けるのではなく、その出来事のおかげと思えるような、よかった点がないかを探してみましょう。
「あのプレゼンでの失敗があったから、後輩の気持ちがよくわかって、的確なアドバイスができるようになった」
「メンバーとのトラブルがあったからこそ、とことん話をすることの大切さを学んだ」
など、よかった点に焦点を当ててみると、同じ出来事でもまったく違う見え方がしてくるはずです。
また、過去はあくまでも過去。同じ出来事が起こったとしても、同じ結果になるとはかぎりませんよ。

 

■「原因志向」よりも「目的志向」で考える

では、あなたが苦手意識を持っていた出来事について、もう少し深く考えていきましょう。
あなたは起こったことに対して、無意識のうちに「なぜ」「どうして」と原因ばかりに目を向けていませんでしたか?
これをアドラー心理学では、「原因志向」といいます。
この原因志向の考え方をしていると、人や自分を責めてしまうことになります。また、ネガティブな感情や、後悔ばかりで日々を過ごしていると、ストレスも増していくという弊害もあります。

たとえば、ある職場での話です。
Aさんが仕事でミスをしてしまいました。同僚のBさんは原因志向で考える人だったため、「Aさんはなんであんなミスをしたんだろう」
「もっとこうしたらよかったのに、普通は気づけることなのに」
「そういえばいつもAさんはだらしがない」
こんなふうに、終わった出来事に対してBさんがいつまでも原因を追及しようとしていると、不満や怒りがたまり、ちょっとしたことがきっかけで、Aさんに対して怒りが爆発してしまうということもあるでしょう。

一方、原因志向に対し、理想の未来に意識を向けることで、現状とのギャップを埋めようとすることを「目的志向」といいます。これは、経営者やリーダーなど、たくさんの責務を担う人たちがよく取り入れている考え方です。
目的志向を意識していると、未来の目標から現実をとらえるので、トラブルがあっても問題解決に向けての建設的な行動ができるようになります。

先ほどのAさんの場合、
「Aさんのミスは、どうやってフォローできるかな?」
「同じことを繰り返さないように、そもそものやり方自体を見直そう」
と、理想的な未来にするためにどうしたらいいのか、具体的な行動にまで落とし込むことができます。

ですから、もし苦手に思うようなことが起こったときには、「どうしたい?」「どうありたい?」と自分に問いかけてみましょう。理想と現実のギャップを埋めるにはどうしたらいいのか、目的志向で考えられるようになると、ストレスも軽くなり、気持ちも行動も変わっているはずですよ。