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「わかっちゃいるけどやめられない」は嘘 そろそろ「やめる勇気」を持とう

日付:2020年12月29日

■いまの自分がすべき「こと」「もの」を見極める

コロナウイルスの影響もあり、いま働き方が大きく変化しています。
出社せずに自宅で仕事をするスタイルが定着してきている人もいるかもしれませんね。

ただ、情勢によって働き方が様変わりしていても、社会人になって間もない頃はすべてを貪欲に吸収する時期であることは変わりません。
20代のうちは、誰もがいろいろなものをスポンジのように吸収し、大きく成長していこうとする時期です。

でも、30代になると、そろそろインプットだけではなく、整理し、手放し、自分がすべき「こと」「もの」を見極めていくことが必要になります。

わたし自身も、20代の頃は人脈を広げようと、多くの人と知り合い、交流するためにさまざまな場へ出向きました。ゴルフ、フラワーアレンジメントなど、趣味を広げ、セミナーや資格認定講座に行き、多くのことを学ぼうといろいろなことにチャレンジしていました。
若い頃から講師業をしていたので、無我夢中でいろいろなことを身につけようとしていたのです。

働きはじめの頃は、知識も経験も少ない分、ベテラン講師の方々と肩を並べて働くには、とにかくいろいろな「こと」「もの」をインプットすることでしか補えません。自分なりに諸先輩たちとの差を埋めようとがむしゃらでした。

 

■30代半ばからは、狭く深い付き合いを意識する

そうやって30代も半ばを過ぎたとき、ふと「それは本当に必要なのか?」と思うようになっていました。仕事が忙しくなってきていたこともあり、交友関係を広めるための場に出向く時間や、趣味に時間を捻出するのが難しくなってきていたこともあります。
そのうえ、自分の成長のためと思ってはじめた、学びや人との付き合いも、広げるばかりでは、一つひとつが浅くなってしまい、中途半端になっているなと感じるようになっていました。

たとえるなら、「自分」という畑に、たくさんの種をまいて多くの野菜を収穫しようとすると、養分の取り合いになってしまう可能性があるという状態。そうなるぐらいなら、大切に育てたいものをしぼって、それが大きく成長するように育むほうが重要なのかもしれないと考えるようになったのです。

 

■「手放す」「やめる」勇気を持つ

社会に出たての20代から30代前半くらいまでは、思う存分さまざまなことに挑戦しましょう。
そして、その後は「何が自分にとって必要なのか」「それは今後、本当に必要なのか」を自分自身に問いかけ、一つひとつ整理してみます。

そうやって客観的に見てみると、「この仕事はわたしがひとりで抱えるよりも、任せられる後輩に引き継ごう」と気づくことが出てくるかもしれません。
そんなときは後進を育てることに意識を向けて、手放す勇気も必要です。

わたし自身も、多忙になって、すべてを自分ひとりで完結させることはできないと思ったとき、本当に続けたいものに集中するため、そのほかのお仕事をお断りする決断をしました。
もちろん、長く続けていた仕事は愛着もあり、先方との人間関係もできていたため、やめるという決断を下すことに時間も勇気もいりました。
「あなたにお願いしたい」と言われている仕事や、長年の習慣をやめるのは、精神的にも厳しいことですよね。

 

■流されずに「自分の人生は自分で決める」

ただ、次のような場合は、すぐにでもやめる決断をしたほうがいいでしょう。

・やめると申し訳ないという理由で、続けている習い事
・話が合わなくなってきているのに、断れずに続けてしまっている人付き合い
・身体への負担を感じはじめている場合のタバコや深酒
・何年たってもどうしてもやりがいを感じられない仕事 など

「断ると関係が悪くなりそうで怖い」
「タバコはストレス発散だから」
「いまから転職先を探しても見つからない」
など、自分がやめないことや、行動しないことを正当化して先延ばしにしていませんか?

「やめたほうがいいとわかっていてもやめられない」という気持ちも、よくわかります。
でも、それは「自分がやめたくないからやめていないのだ」ということを、まず理解しておかなくてはいけません。
もし、あなたがそれをやめたなら、その時間をどれくらい有効に使えるでしょうか。
自分に何が必要なのかを選択することは、自分の人生を大切にすることにつながります。

勇気を出して、やめる決断をしてみましょう。
なあなあにしていたことに流されず、「自分の人生を自分で決めること」は、しあわせな人生を送るための近道です。